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米郵便公社、間違えた自由の女神の写真使い350万ドル以上の賠償金

2018年7月9日 10:56

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記事提供元:スラド

米国郵便公社(USPS)が発行した切手で間違った自由の女神像の写真を使ってしまい、350万ドル以上の損害賠償を払うことになったそうだ(Ars Technicaの記事裁判所文書: PDF)。

USPSは2008年、郵便料金が改定されても追加料金を支払うことなく普通郵便が送れる切手「Forever Stamp」の更新に着手。ニューヨークにある自由の女神像の写真を使用することが決定し、20点以上の写真から1点を選定する。Gettyにライセンス料1,500ドルを支払い、2010年12月に発売された。

ところが、この写真はニューヨークの自由の女神ではなく、ラスベガスのニューヨーク-ニューヨークホテル&カジノに設置されている自由の女神像だった。USPSは翌2011年3月に写真の間違いに気づいたが、著作権表示を追加することもなく2014年1月まで販売を継続したとのこと。

ラスベガスの自由の女神像を作成したのは彫刻家のロバート・デビッドソン氏。それまで自由の女神像の写真にライセンス料を請求することはなかったが、USPSがデビッドソン氏に使用許可を求めることも、作者として表示することもなかったことから連邦請求裁判所に訴えることにしたそうだ。
USPSはデビッドソン氏の自由の女神像はニューヨークの自由の女神像のレプリカであることや、彫刻作品ではなく建築物であるなどとして、著作権の無効を主張。また、著作権が認められるとしてもフェアユースに相当すると主張していた。一方、デビッドソン氏はニューヨークの自由の女神像をより女性的にし、同時代の自由の女神像を作ろうとしたと述べ、独創性のある著作物であると主張する。

裁判所ではデビッドソン氏の自由の女神像に独創性を認め、建築物ではなく彫刻であるとして著作権が有効と判断。販売した切手のうち郵送で使われなかった分の売り上げについては非営利とは認められない点や、デビッドソン氏の自由の女神は派生作品であるものの、切手で使われた部分が独創性の認められる顔の部分だった点を指摘し、フェアユースとは認められないと判断している。

通常、切手での使用は著作者の名誉となるためライセンス料は安く、最大5,000ドル程度とのことだが、作者名が表示されなかった本件ではそれに相当しない。裁判所ではUSPSが切手のデザインを他社にライセンスする場合のライセンス料を考慮して、購入者が使わなかった切手の代金70,969,419ドルと、コレクション用に販売された切手の代金29,515ドルのそれぞれ5%をロイヤリティと算出。これに使われた分の切手のライセンス料として5,000ドルを加え、損害額は利息別で3,554,946.95ドルになるとのことだ。 

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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

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