インテリジェントウェイブは戻り高値圏、19年6月期の収益改善期待

2018年7月3日 09:15

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

 インテリジェントウェイブ<4847>(東2)は、金融分野や情報セキュリティ分野を中心にシステムソリューション事業を展開している。6月27日付でJASDAQから東証2部に市場変更した。18年6月期は一部不採算案件の影響で減益予想だが、19年6月期は収益改善が期待される。株価は戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。なお8月1日に18年6月期決算発表を予定している。

■金融システムや情報セキュリティ分野のソリューションが主力

 大日本印刷<7912>の連結子会社で、ソフトウェア開発中心にソリューションを提供する金融システムソリューション事業、情報セキュリティ分野中心にパッケージソフトウェアや保守サービスを提供するプロダクトソリューション事業を展開している。

 17年6月期セグメント別売上構成比は金融システムソリューション事業88%、プロダクトソリューション事業12%だった。高度な専門性が要求されるクレジットカード決済のフロント業務関連システムで高シェアを持ち、クレジットカード会社、ネット銀行、証券会社など金融関連のシステム開発受託・ハードウェア販売・保守サービスを収益柱としている。

 収益面では金融業界のシステム投資や案件ごとの採算性が影響し、期後半の構成比が高い特性がある。なお公平な利益還元のために、株主優待制度は17年6月期末をもって廃止した。

■事業領域拡大に向けて新製品・新サービスを強化

 金融システムソリューション事業ではクレジットカード決済のフロント業務関連システムから、バックオフィス業務関連など基幹業務システム関連への事業領域拡大を目指している。またクラウドサービス事業も強化している。プロダクトソリューション事業では、サイバー攻撃や情報漏えいに対応したセキュリティ関連のソリューションを強化している。

 クラウドサービス事業においては、NET+1やACEPlus等の機能を搭載してシステム開発プラットフォーム基盤となる新製品OnCore Switchの1社目が18年6月期第3四半期に稼働した。2社目は19年6月期稼働予定(内示)である。銀行やクレジットカード会社に対してクレジットカードのアクワイアリング業務(加盟店契約業務)システムをクラウド型で提供する共同利用型サービスは、4社目が18年6月期第1四半期にスタートした。不正検知は1社目が18年6月期第2四半期にスタートし、2社目が19年6月期第1四半期スタート予定である。

 AI(人工知能)技術を活用したソフトウェアOpAIに関しては、あいおいニッセイ同和損保の損害サービス部門に、17年11月OpAIを活用した照会応答システムの利用を開始し、18年4月には高精度文書検索システムが導入された。

 中期事業計画ではサイバーセキュリティ総合プロバイダーを目指し、経営目標値に20年6月期売上高105億円(金融システムソリューション事業89億円、プロダクトソリューション事業16億円)、営業利益10億円を掲げている。

■18年6月期は不採算案件で減益予想だが19年6月期の収益改善期待

 18年6月期の非連結業績予想(1月31日に売上高を増額修正、営業利益、経常利益、純利益を減額修正)は、売上高が17年6月期比14.5%増の97億円、営業利益が31.6%減の4億80百万円、経常利益が34.7%減の5億円、純利益が37.8%減の3億40百万円としている。配当予想は17年6月期と同額の年間7円(期末一括)で、予想配当性向は54.2%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比比29.3%増の78億28百万円、営業利益が29.8%減の3億66百万円、経常利益が33.8%減の3億73百万円、純利益が41.3%減の2億38百万円だった。カード系の開発が増加して大幅増収だが、一部不採算案件の影響で大幅減益だった。

 金融システムソリューション事業は売上高が31.2%増の70億05百万円で営業利益が4.6%減の4億96百万円だった。ソフトウェア開発の大型案件が増加したが、一部不採算案件の影響で減益だった。プロダクトソリューション事業は売上高が15.1%増の8億23百万円で営業利益が1億29百万円の赤字(前年同期は2百万円の黒字)だった。利益率の高い自社製品が減少し、利益率の低いハードウェアの販売が増加した。

 通期ベースでも、金融システムソリューション事業における一部不採算案件や、開発中のシステムの一部について工程を追加するための費用発生の影響で減益予想である。なお不採算案件の影響は18年6月期中に解消する見込みであり、19年6月期は収益改善が期待される。

■株価は戻り高値圏

 株価(6月27日付でJASDAQから東証2部に市場変更)は戻り高値圏だ。6月26日の直近安値644円から切り返して7月2日には749円まで上伸した。そして5月の年初来高値775円に接近している。

 7月2日の終値720円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想EPS12円92銭で算出)は約56倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は約1.0%、そして前々期実績PBR(前々期実績BPS214円51銭で算出)は約3.4倍である。時価総額は約190億円である。

 週足チャートで見ると、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高観を強めている。上値を試す展開を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【業績でみる株価】FCMは18年3月期大幅増収増益・増配予想で再増額の可能性(2018/02/20)
【株式評論家の視点】日本システム技術は第3四半期営業黒字転換、昨年9月の下値圏に届き値ごろ感(2018/02/08)
カチタスはニトリの家具・インテリア付き中古住宅の販売に期待感、2600円どころが下値圏(2018/02/13)
【編集長の視点】BEENOSは1Q流通総額の高進捗率を手掛かりに売られ過ぎの訂正買いが拡大し続急伸(2018/02/19)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事