欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、資源通貨の値動きに警戒

2018年6月22日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、資源通貨の値動きに警戒
22日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。前日の利益確定売りは一巡し、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速観測を背景にドルの買い戻しが継続する見通し。ただ、石油輸出国機構(OPEC)総会の協議を受けた資源通貨の値動きが、ドル・円の下押し圧力になる可能性がある。

前日は、イタリアでのユーロ懐疑派の議会人事をきっかけにユーロ売りが強まったものの、今年最安値を更新後はショートトカバーの買いが入り、ややドルを押し下げた。また、米国の6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数の低調な内容を手がかりに利益確定のドル売りに振れ、ドル・円は一時109円84銭まで弱含んだ。本日のアジア市場では、日経平均株価は下落も、時間外取引のNY原油先物が上げ、米株先物が小幅高となり、米長期金利が上昇し、ドル・円は110円付近に回復。海外市場でもFRBの利上げペース加速観測を背景にドルの買い戻しが続きそうだ。

そうしたなか、今晩はOPEC総会での産油国の増産に関する協議が注目される。報道によると、前日の非公式会合でサウジアラビアが日量100万バレルの増産を提案したのに対し、イランは増産反対のスタンスを軟化させたとみられていたが、直前になって再び増産に否定的な姿勢を示している。協議の行方は読みきれないが、あいまいながらも各国がサウジ案に大筋合意した場合には、原油価格が下落して株安となり、資源通貨が売られ、クロス円の下落がドル・円を押し下げる可能性がある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・6月製造業PMI速報値(予想:55.0、5月:55.5)
・17:00 ユーロ圏・6月サービス業PMI速報値(予想:53.8、5月:53.8)
・17:00 ユーロ圏・6月総合PMI速報値(予想:53.9、5月:54.1)
・21:30 カナダ・4月小売売上高(前月比予想:0.0%、3月:+0.6%)
・21:30 カナダ・5月消費者物価指数(前年比予想:+2.6%、4月:+2.2%)
・22:45 米・6月製造業PMI速報値(予想:56.1、5月:56.4)
・22:45 米・6月サービス業PMI速報値(予想:56.5、5月:56.8)
・22:45 米・6月総合PMI速報値(5月:56.6)
・EU財務相理事会
・石油輸出国機構(OPEC)定例総会《FA》

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