東工大、貴金属不要のCO2資源化光触媒を開発 地球温暖化防止に光明

2018年6月13日 10:14

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カーボンナイトライドと鉄錯体を組み合わせた光触媒によるCO2還元反応(図:東京工業大学の発表資料より)

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 東京工業大学の石谷治教授らは、太陽光をエネルギー源として、地球温暖化の主因である二酸化炭素(CO2)を有用な炭素資源へと変換できることを発表した。

【こちらも】東工大、炭素と窒素を主触媒とした人工光合成に成功

 本研究成果は、フランス・パリ第7大学のマーク・ロバート教授らの研究グループと共同で、JST戦略的創造研究推進事業のもとで実施。貴金属を全く用いずに、同等の光触媒性能を確認した。詳細は、12日、米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」に速報として掲載された。

 この研究は「人工光合成」と言われるものだ。今まで、ルテニウムやレニウムといった貴金属や稀少金属を用いた「人工光合成」という光触媒の成果はあるものの、莫大なCO2量を考えると、地球上に多量に存在する元素だけで構成される新たな光触媒を構築しなければ、実用化は困難だ。

●貴金属が要らない光触媒の特長

 地球上に豊富に存在する元素からなる光触媒であることが重要だ。炭素、窒素、鉄からなる光触媒の開発だ。

 太陽光をエネルギー源としてCO2を有用な炭素資源に変換。炭素と窒素から構成される有機半導体カーボンナイトライドを鉄錯体と組み合わせて光触媒として用いた。CO2をCOへと高効率に還元。

 この光触媒反応は、太陽光の波長帯でも主成分である可視光を照射することで進行。図解では、カーボンナイトライドが可視光を吸収し、還元剤から触媒である鉄錯体への電子の移動を駆動。その電子を用いて鉄錯体はCO2をCOへと還元する。

 性能の指標となる触媒反応の活性点が何回機能したかを示すターンオーバー数は、155だ。活性点100個に対し、15,500の生成物になる。照射した光の量に対する反応に用いることができた光の量の割合を示す外部量子収率は4.2%だ。最後にCO2還元の選択率は99%とほぼ完全な目的生成物量となった。

●光触媒(東工大ら、貴金属が要らない光触媒)のテクノロジー

 炭素、窒素、鉄といった地球上に多量に存在する材料群を用い、太陽光をエネルギー源としたCO2還元資源化を高効率に達成できることを初めて実証。さらに卑金属や有機分子を用いた光触媒と比べて10倍以上の性能を持つ。具体的には、ターンオーバー数が155、外部量子収率が4.2%、目的のCO生成物量は99%だ。

 今後は、光触媒としての機能をさらに向上させると共に、地球上に多量に存在し安価な水を還元剤として用いることのできる酸化光触媒との融合を達成するという課題へ挑戦するようだ。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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