着実に進むライドシェアへの動きと、今は黒子に徹するウーバー

2018年5月26日 18:39

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 兵庫県の養父(やぶ)市で、地元の住民が自家用車を活用する有料ライドシェア(相乗り)サービス(やぶるく)が26日から始まる。地元のタクシー会社(3社)と観光協会がNPO法人を構成し、タクシーが短距離の運送を担えない中山間地の2地域に限って運営する。

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 自家用車を使っての有償運送は、過疎地で地元の合意があれば認められるが、利用者が地域住民に限定される足枷がある。養父市の場合は、国家戦略特区に認められた規制緩和を活用して、観光客にも利用の範囲を広げているところにポイントがある。運行エリアは限られているが、昨年日本遺産に認定された「明延鉱山跡」(あけのべこうざんあと)をPRし、観光客の交通手段を提供する全国初の取り組みである。

 スタート時には17人のドライバーが登録され、ドライバーの体調チェックと配車の連絡には、無料通信アプリの「LINE」とタクシー会社のシステムを組み合わせて使う。運賃はタクシーの6~7割程度に抑えられ、車内には料金の早見表を備え付ける。事故の補償にはドライバーの保険で対応するが、不足分が発生した場合には、NPO法人が支援する。

 京都府京丹後市で16年から始まった「ささえ合い交通」は、配車サービス世界最大手の米ウーバーテクノロジーズのシステムを使い、2年を経過している。過疎地に認められた、一般ドライバーによる自家用車を使った有料ライドシェアサービスだ。通院の際には、バス停まで歩いて待つ必要がないと、高齢者の間には好評で、利用回数も着実に増加していると言われる。

 兵庫県淡路島では今夏、観光客をメインターゲットにした実証実験が始まる。島内には流しのタクシーがないため、乗車位置が分からないという訪日外国人からのクレームが寄せられていた。そこで、12社あるタクシー会社に参加を募り、賛同したタクシー会社にウーバーのアプリが搭載されたタブレットを配布する。このシステムは50の言語に対応しているため、訪日外国人はスマホを使って自国語でタクシーを呼ぶことができる。支払は登録したクレジットカードで決済され、地元住民の利用も可能だ。

 ウーバーは日本におけるライドシェアの全面解禁を性急に求めず、タクシー会社への配車システム提供という黒子の立場に徹して、今後の対応へフリーハンドの余地を残す戦略に切り替えたのだろう。

 高齢者に免許返上を促す社会の風潮はあるが、代替策を示さずに交通利便性を悪化させることは、高齢者いじめにもつながる。買い物や病院通いの手段を奪うことなく、気軽に使える交通機関を確保することは、訪日客などの観光客誘致の面でも重要だ。デジタルテクノロジーが、幅広い社会貢献の実を結んでいる。(矢牧滋夫)

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