ファーストリテイリングはインディテックスに追いつけるか

2018年5月21日 20:35

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 ファーストリテイリング(以下、ファストリ)が今8月期の中間期決算を発表した。前年同期比16.6%の増収(1兆1,867億6,500万円)、中間期としては過去最高となる30.5%の営業増益(1,704億9,200万円)。通期予想も売上高で600億円、営業利益で250億円増額修正した。会見に臨んだ柳井正CEOは上機嫌に「世界の全ての国で受け入れられる可能性を実感している」と語り、「売上高3兆円目標も数年で確実に実現できる」とも発した。

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 中間期最高営業利益はサプライズである。が「ものを言う」株価は発表日の翌日も翌々日も、殆ど反応しなかった。株価の真意はどこにあったのか。柳井CEOが口にする「売上高3兆円目標」は、ファッション小売業界世界首位であるスペインのインディテックスを意識したものであることは、誰もが知るところ。インディテックスの2018年1月期の売上高は、約3兆3,500億円。対してファストリの今期通期予想は2兆1,100億円。「背中は確認できた」と捉えることもできる。だが株価は承知していた。「ファストリの売上が3兆円となっても、インディテックスとの利益力の格差は埋められない」と。

 インディテックスの前期の営業利益は約5,700億円。対してファストリの今期予想は2,250億円。2.5倍という歴然とした差異がある。何故か。ファストリの主軸は「ユニクロ事業」。国内でこそ売上横這い状況が続いているが、海外は東南アジア市場の拡大・米国市場の赤字縮小傾向と踏ん張っている。がユニクロに続く事業が育っていない。「ユニクロに次ぐ柱」という鳴り物入りで06年に立ち上げられた低価格商品主体の「ジーユー事業」は10余年が過ぎた前期中間期でも、営業利益は90億円余にとどまっている。フランスや米国のブランドを買収して期待を膨らませた「グローバル事業」は、営業赤字状況。

 対してインディテックスの主軸は「ザラ(内外2,100余店を展開)事業」。他に6つの「ブランド事業」が続くが、いずれも2桁台の営業増益率を継続している。つまり「ユニクロ1本足事業」では、ファストリのインディテックスへの道は遠く険しい。株価はそれを内包していたからこそ、動きようがなかったのである。(千葉明)

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