三菱電機、火花がほとんどでないファイバーレーザー溶接技術を開発

2018年5月19日 09:53

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ファイバーレーザー溶接時の火花の比較(写真:三菱電機の発表資料より)

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 三菱電機は17日、子会社の多田電機と共同で、「火花がほとんどでないファイバーレーザー溶接技術」を開発したと発表した。2019年度中に多田電機が製品化する予定。

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 レーザー溶接機でも、低消費電力化の流れが加速している。CO2レーザーからファイバーレーザーの採用が多くなっている理由は、低消費電力とビームの取り扱いが容易なことである。ところが、ファイバーレーザー溶接には課題がある。溶融金属の飛散量の多さにより発生する接合部表面のくぼみや飛散物の固着を原因とした製品不良という。飛散を抑制するには、溶接速度を遅く設定する必要があり、生産性が低下する。

 今回の発表はこれら課題を解決する。ファイバーレーザー溶接の不良や溶接速度低下の原因となる溶けた金属(溶融金属)が火花状態で飛び散る量(飛散量)を95%以上削減。鉄鋼、自動車や電気機器など高出力のファイバーレーザー溶接を行う製造現場での溶接の品質と生産性の向上を実現する。

●開発したファイバーレーザー溶接の特長

 強いレーザー光の周囲に弱いレーザー光を照射。強弱2つのレーザー光を照射すると、溶接速度にかかわらず溶融金属の飛散を抑制できることを発見。この仕組みを実現するために、レーザー光を伝送する光ファイバーの出口に、強いレーザー光と弱いレーザー光を同時に発生させる集光光学系を独自開発した。

 10キロワットの高出力ファイバーレーザーを用いた溶接時において、溶融金属の飛散量を95%以上削減し、溶接品質を向上させた。

 今回の開発技術では溶接速度を上げても溶融金属の飛散量がほとんど増加しないため、溶接速度を2倍に高速化しても、同等の品質を確保。生産性の向上が可能だ。

●レーザー溶接(三菱電機、強弱2つのレーザー光での溶接)のテクノロジー

 地道な実験を通して、新たな手法を開発する。技術者の飽くなき探求の醍醐味である一方、成果主義に相いれない実験にも感じられる。1万件を超える様々な溶接条件下で、金属の溶融状況を高速度カメラで詳細に観察したようだ。強いレーザー光の照射により、金属を深く溶かしている部分の周囲に弱いレーザー光を照射すると、溶融金属の飛散を95%削減できることが判明。

 鉄鋼、自動車や電気機器など高出力のファイバーレーザー溶接を行う製造現場での溶接品質と生産性向上が可能だが、特許出願は国内のみだ。特許請求範囲の難しい技術なのであろうか。(小池豊)

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