【小倉正男の経済コラム】決算発表:全般に超保守的な業績見通し

2018年5月16日 13:11

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■今19年3月期見通しは超保守的

 決算発表がたけなわである。前18年3月期決算は絶好調なところが多い。アメリカ、 そして中国のふたつの経済大国の景気が良いのだから、日本も悪いわけがない。

 しかし、今19年3月期決算の数字は相変わらず保守的な見通しを出す企業が少なくない。

 前期は凄まじい増収増益を達成しているのに、今19年3月期については「減収減益」を表明している企業もないではない。  「この減収減益という予想数字はないでしょう」、と私が尋ねると、「いや、最低限の目標として出したものだ」とさらに首が傾ぐような経営者からの返答。

 決算説明では、経営トップから、自社について悪い業況についての話は出ない、むしろ良い業況に話が及んでいるのに、今19年3月期見通しは営業利益、経常利益が横ばいとなっている企業もある。業況説明と今期見通しが合致していない。どっちかにしてほしい・・・?

 「社長の前向きな業況説明と予想数字の横ばいが合わない。どっちが本当なのか」と質問すると、「いや、為替がどうなるか読めない」とか、これまたわかったような、わからないような返答をする財務担当取締役。

 今19年3月期に30%増益を打ち出しているあるハイテク企業だが、それでも膨大な受注残、高い利益率などを勘案すると、やはり控え目である。期中に増額修正を含みとして残している模様だ。

■決算発表ベースでは景気腰折れ!!

 NHKの夜9時のニュース番組で、「日本の景気は腰折れか?」といった驚愕のコンテンツを報じたので、オヤと思って見てみたのだが・・・。

 前18年3月期に増収増益に比べて、今19年3月期の利益が横ばいとなっており、日本の景気はピークを打ったというのがコンテンツの中身だった――。

 “公共の放送”でせっかくのコンテンツを流すのなら、もう少し検証してくれよ、といいたくなる。 そんなに難しいことではない。日本の企業の決算発表のトレンドぐらいは、掴んでから報じてほしいものである。

 アメリカだったら「フェイクニュース」、あるいは「フェイクニュース以下」といわれるか、下手をすれば“訴訟沙汰”になりかねない。  日本の民放のワイドショーでは、朝から晩まで同じアジェンダを取り扱い、ほとんど同工異曲のコンテンツを流している。実質的に業界に競争がないから、矮小なコンテンツで過ごしている。

■「減収減益・減配」で発表するという悪癖

 本日、取材したのだが、ある有力な工場・ビルなどの設備工事会社の経営トップの話なのだが――。昨年のいまの同時期の決算で、「減収減益・減配」で発表したとのことだ。 そうしたら、『会社四季報』に減収減益・減配と書かれた。日経新聞にもそう表記された。株価も下がったというのである。

 それはそう発表したのだから、そう書かれることがフツーである。自分の撒いたタネである。だが、「減収減益・減配」と書かれて、何故かショックだったらしいのだ。

 ところで、その会社の今週に開示された前18年3月期は、撒いたタネとは逆に増収増益・増配になった。絶好調で、期末の受注残も空前の水準である。  しかし、今19年3月期の見通しは、やはりまた昨年同様に減収減益・減配を打ち出している。

 にもかかわらず、「減収減益・減配」と報道されるのは困るというニュアンスである。  いったいどうしろというのか?「大幅な減収減益・大幅な減配と報道するしかないですね」と、心に思っているのとは真逆の冗談で応えた。  日本企業よ、大人になってくれ、である。

 『ニュースウオッチ9』はいつも眺めているコンテンツだ。『ニュースウオッチ9』に日本企業の決算発表の悲喜劇を大人のスタンスで報道してほしいと思っているこの週である。

(『M&A資本主義』『トヨタとイトーヨーカ堂』(ともに東洋経済新報社刊)、『日本の時短革命』『倒れない経営―クライシスマネジメントとは何か』『第四次産業の衝撃』(ともにPHP研究所刊)など著書多数。東洋経済新報社で企業情報部長、金融証券部長、名古屋支社長・中部経済倶楽部専務理事(1971年~2005年)を経て現職。2012年から「経済コラム」連載。)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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