中世の「絵文字」カタログを作成するプロジェクト EUの出資で発進

2018年4月26日 21:53

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●歴史上初のグラフィックシンボルに関するデータベース

 欧州研究会議(ERC)は、古代や中世の古文書に残る「絵文字」をカタログ化するプロジェクトのために150万ユーロの出資を認めると発表した。このプロジェクトは、「Notae (NOT A writtEn word but graphic symbols)」と名づけられた。ローマ・ラ・サピエンツァ大学の古文書学教授アントネッラ・ギニョーリ女史が、プロジェクトの長として就任した。

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●現代の絵文字と非常によく似た目的を持つ古文書のシンボル

 このプロジェクト「Notae」の目的は、4世紀から10世紀の古文書に残されたグラフィックシンボルの歴史的現象の研究にある。古文書に残されたこれらのシンボルは、現代の我々が使用する「絵文字」と非常によく似た目的で使われていたと推測されている。

 プロジェクトを率いるギニョーリ教授は、「古代や中世の人々も、アルファベット以外のシンボルを仲間と共有し、彼ら独自のルールを介して同輩とやりとりをしたいと願っていた」と語る。

●リレーショナルデータベースを駆使して行われる調査

 プロジェクトではまず、リレーショナルデータベース「Notae」を利用して、あらゆるグラフィックシンボルのデジタル画像を備えたアーカイブ作成のための調査が大々的に実施される。

 歴史家のアントニオ・コッポラは、「このプロジェクトの遂行は、決して簡単ではない。とくに、中世の筆写人たちは古い文書を刃物で削り、その上から新しい文書を記すという作業を繰り返していた。つまり、古い文書に残るシンボルと新しく記述された文書に残るシンボルを見分ける必要がある。こうした状況を考慮すると、すべてのシンボルを完全にデータベースにすることは困難を極めるであろう」と述べている。

●古代の象形文字や楔形文字にも残るグラフィックシンボル

 歴史をさらに遡れば、古代エジプトやメソポタミアで文明の黎明期に使用されていた象形文字や楔形文字にも、絵文字とも呼べるシンボルが見つかるのだという。現代の我々が、携帯で使用する「絵文字」はこうした過去の遺産に過ぎず、いずれも必要に応じて人類が実用的に使っているという点では変わらない。

 感情を文章にするよりも一文字で表現するという概念は、近代では1982年にカーネギーメロン大学の情報工学部教授スコット・ファールマンが使用したことからはじまったといわれている。それから35年以上を経て、絵文字のないコミュニケーションは考えられないほどに浸透したのである。

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