浦和レッズ、堀監督を電撃解任

2018年4月3日 21:28

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■堀監督解任

 サッカーJ1の浦和レッズは1日、ジュビロ磐田と対戦。先制点を取ったものの逆転を許し1-2で敗れてしまった。これにより今季5戦終了時点で未だ勝ち星がなしという結果となり、2日、堀孝史監督を電撃解任した。

 結果だけでなく内容もちぐはぐしている。先制点を取ったのに勝ちきれず逆転されてしまう、先に点を取られれば相手の守りを崩せずに終わってしまうという展開が多い。昨季アジアチャンピオンに輝いた面影はなく、「負けたけど内容はよかった」という感じとは程遠い。

 開幕から5試合未勝利という記録はクラブワーストタイ記録で18チーム中17位と「どん底に落ちている」と思わざるを得ない展開となっている。

 もちろん悪いのは監督だけではない。しかし選手を変えるということは難しいため取り急ぎ「監督を解任し流れを変える」という策をとった。

■浦和のチーム事情

 浦和の営業収入はJリーグ1で最も潤っているチームと言っても過言ではない。本来そういう状況であれば常に優勝に絡んで当たり前という位置にいて当然だろう。しかし浦和の場合はそういった面が逆に負の要素になっている。国内の知名度のある選手を集めているのだ。それ自体は一概に悪い訳ではないがどうしても知名度のある選手というのは使わざるを得ない状況に追いやられることが多い。

 調子を落としていてもプライドを意識して出さなければいけなかったり、顔色を窺って起用しなければいけないこともあるかもしれない。監督が選手時代に世界的プレーヤーだったとすれば、そういったことを全く意識しなくてもいいが、どうしても「自信を持ってタクトを振るう」ということができづらくなるチームとも言える。

 天皇杯を見て分かる通り、サッカーは選手の調子が良ければジャイアントキリングがよく起こる競技である。そのため日本国内という狭い範囲内で見るのであれば、調子を落としている代表クラスの選手よりもベストを出し尽くすことができる状況の選手の方がいい動きをすることがよくある。そういった本質を見抜くことができない限り、浦和の浮上は難しいだろう。

■浦和の目指す場所

 試合に負けるとまず選手が矢面に立つ。しかし負け続けると監督が戦犯となる。フロントはそうなれば監督解任を行う。浦和はこのサイクルに慣れすぎているのではないだろうか。

 アジアチャンピオンに輝いた時のような、集中力を発揮し続けることができるようなチーム状況を作ることができれば、まず間違いなく浮上できるはずだ。戦力の確保に躍起になるのではなく、今いる戦力を最大限に出す方法を模索していってほしい。そしてそれが10年、20年後の浦和の未来につながるのではないだろうか。

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