待機児童問題を保育士確保の方法から考える

2018年3月21日 21:45

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 待機児童問題は依然として続いている。(認可・認証)保育園不足に起因するが、その背景にあるのは「保育士不足」だ。

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 今年に入って早々に、横浜市の認可保育園の休園が決まった。4月から3-5歳になる園児が転園を余儀なくされた。理由は保育士不足と説明された。同様の問題が相次がない保証はない。むしろ懸念の方が大きい。周知の通り今年1月の有効求人倍率は1.59倍と1974年1月の1.64倍以来44年ぶりの高水準になった。対して厚労省によると、こと保育士に関する有効求人倍率は全国で3.38倍。東京では6.43倍。東京でみると6.43人の求人に対し1人しか応募がないという「惨状」である。何故なのか。理由は明々白々である。保育士に対する待遇の低さである。それは給料(月給)の安さに象徴的だ。ベビーシッターサービスを手掛けるキッズラインと保育分野の人材紹介会社ウェルクスの共同調査では、保育士の月給は「15-17万円未満」が22%と最多、次いで「17-19万円未満」「19-21万円未満」がともに18%だった。その低さは、あえて他業態と比較するまでもあるまい。

 そうした中で人材派遣会社「長屋心」(名古屋市)が4月に大阪市に開園する保育園では、保育士の定員20名に対して80人の応募があったという。要因としては「週休3日制。副業を認め運営会社の長屋心が紹介にも手を貸す」ことという収入確保の道筋をつけたことや、手書きだった書類の作成等はスマホアプリの活用で効率化を図り保育士負担の軽減措置を執ったことに求められる。

 この他では「子供同伴可」とした保育園が人気を集めているという事例も出始めている。保育士ではないが同様に「不足」に悩む介護施設の中には「より手慣れた介護士の募集」に照準を合わせ、元介護士に向けて「いま現在の給与を初任給とします」と応募をかけて成功した事例もある。介護士業界では中途採用の場合でも「初任給は新人と同じ」というちょっとした(?)壁破り法を実施した結果だった。

 保育士不足の解消には保育園側の、監督署の立場に立つ側の「工夫」がまずは求められるのではないだろうか。(千葉明)

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