細胞は聴覚器官を介さずに音波に反応する 京大が解明

2018年2月7日 14:13

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研究のイメージ。(画像:京都大学発表資料より)

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 従来、人間の聴覚刺激すなわち音波に対する知覚と反応は、聴覚、すなわち耳と聴覚器官を経由することによってのみ生じると考えられていた。しかし今回、細胞そのものが聴覚を解することなく音波の刺激に対し遺伝子レベルの応答性を持つ、という驚くべき事実が明らかになった。

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 音は耳を経由して刺激として受容される。それが常識であった。常識であったため、それを疑ってかかるような研究そのものがこれまでほとんどなかった。特に、細胞そのものが音を認識し応答する性質を持つかどうか、という点に着目した研究などというものはほとんど存在すらしなかった。

 しかし今回、京都大学の研究グループはその研究を行った。具体的には、培養細胞に対して直接に音波を当て、遺伝子の解析を行ったのである。結果として、細胞の種類によっては、特定の遺伝子群の働きが抑制される現象が見られることが明らかになった。

 もちろん、すべての細胞のすべての遺伝子が音に反応するわけではない。抑制効果を特に生じない細胞もある。つまり、分化の状態などによって応答性が異なるものであるという推測が可能である。

 ちなみに今回の研究において使用されたのは可聴域の音波である。つまり20ヘルツから2万ヘルツ(毎秒あたり振動数)の波のことだ。超音波は直接的に細胞に影響を与えることができる。これは今回の研究とはまったく次元の違う問題として既に知られていることである。

 今回の研究はまだ端緒についたばかりである。恐らくは大気を経由して伝わった音波が反応を引き起こしたものと推測はできるがそれも明瞭ではないから、さらなる研究が必要となる。また、音波への応答メカニズムの分子的な基盤を明らかにしていくことも必要となるであろう。

 なお、研究の詳細は、PLOS ONEに掲載されている。(藤沢文太)

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