平野淳也:コインチェックのハッキングで明らかになった日本の暗号通貨市場の桁違いの大きさ【FISCOソーシャルレポーター】

2018年2月2日 14:20

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記事提供元:フィスコ


*14:20JST 平野淳也:コインチェックのハッキングで明らかになった日本の暗号通貨市場の桁違いの大きさ【FISCOソーシャルレポーター】
以下は、フィスコソーシャルレポーターの暗号通貨研究家の平野淳也氏(ブログ「Think Nomad」、Twitter: @junya_1991)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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■日本の暗号通貨市場の大きさを予想できる指標となる数字

ハッキングの話そのものとは別に、今回の件からある数字が明らかになりました。同社の「不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について」によると、同取引所でXEMを当該美に保有していたユーザーは、約26万人であるという点です。

コインチェックは販売所しかなく、出来高が完全にブラックボックスなので明るみには出ませんでしたが、アルトコインの日本のマーケットは世界でもずば抜けて大きいだろうと予想する指標になる数字といえます。

暗号通貨の一銘柄であるXEMを特定の日付にコインチェックに入れていたという条件で保有者が26万人です。

これ以外にも日本人でXEMを買っているユーザーにはzaifなど別の取引所を利用していた人や、自分でウォレットを管理していた人も沢山いたであろうと考えると、日本人のXEM保有者は40万人くらいいる可能性もあるのではないかと思います。

また、これをもとに暗号通貨を保有する日本人全体の数を推定すると、相当コンサバティブでも100万人、多ければ250万人くらいと予想できます。もし250万人とすると日本の人口の2パーセントまで浸透していることになり、普及のスピードに驚きを禁じえません。

参考までに、日本最大の顧客口座数の野村證券では約500万口座、それに次ぐSBI証券で約400万口座と続きます。
株式と比較する理由がどこまであるかという疑問を持つ方もいるでしょうが、浸透の度合いが推し量れる数字が出たといえるでしょう。これは相当すごい話で、「仮想通貨元年」と言われた昨年2017年のオーバーヒート感も感じる次第です。

「貯蓄から投資へ」と散々呼びかけられてもマネーが十分に循環しなかったのにこの状況をどう見るべきか、考察に値するでしょう。

■これを機に、暗号通貨で日本を再建する戦略を本気で考え出してもいい頃

とはいえ、多くの暗号通貨市場参加者がやっているのは投資ではなく、投機かパチンコに近いものであることは否定できません。

しかし現状、当コラムの読者や、筆者のTwitterをフォローしている方は、暗号通貨の将来的な可能性や社会を変革し得る可能性については期待している側の人間のほうが多いと思います。

前述のように、国民の割合に対する暗号通貨のアダプションは日本が世界で一番多いだろうことは恐らく間違いなく、暗号通貨で日本を再建する戦略を本気で考え出してもいい頃かもしれないとも思うわけです。昨年、暗号通貨の税制が発表されて、今年から納税が始まりますが、税収は兆円単位になり、膨大なものになるでしょう。

暗号通貨が、はっきりとマクロ経済に影響を与えるレベルのものになりつつあることが認知されるはずです。

投機好きな性格が功を奏する形ではあったとはいえ、この国の国民が暗号通貨という先進的なテクノロジーに適応している事実を好意的に捉え、日本の財政再建のチャンスを見つけるべきでしょう。

「暗号通貨はほとんど投機にしか使われていない」と批判するのは簡単ですが、正しい理解をせずに、その批判を続け、事故を糾弾する社会には、永遠に再建の機は訪れません。暗号通貨はそれ自体が歴史に残る画期的な発明であり、将来的に実現すればより社会を便利にする先進的な技術も日々研究されています。

金融庁の方々の努力もその一端を担っていますが、より一層、日本は暗号通貨にチャンスを見出すことを真剣に考え始めるときだと言えます。国家としては、この好機を逃すべきでないでしょう。

※2018年2月2日に執筆
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執筆者名:平野淳也
ブログ名:Think Nomad
Twitter: @junya_1991《SI》

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