鈴木亮平が青い西郷を熱演!「西郷どん」2話レビュー

2018年1月16日 22:40

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■安定したエピソード&演技が光る2話

 2018年の大河ドラマとしてスタートした「西郷どん」。第1話は幼少期のエピソードが中心で鈴木亮平演じる西郷隆盛が見られなかったが、15%以上とそれなりのスタートを切った。

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 そして、1月14日に放送された2話では満を持して青年期の西郷隆盛編がスタート。歴史などで習う西郷隆盛とは全くイメージの異なる「やっせんぼ」な西郷隆盛を鈴木亮平が見事に好演。泥臭く、青臭い西郷隆盛から目が離せないという内容だった。

■下級武士としてお役所仕事に扮する西郷隆盛

 元服を終え、小吉から吉之助(鈴木亮平)という名前に変わった西郷。彼は武士として年貢の徴収を行う仕事を行うことになり、薩摩藩の農民を守る生活を送ることになる。しかし、農民は重い年貢を払えず、同じ武士や役人は賄賂が横行している現実を目の当たりにしてしまう。

 それでも吉之助は腐ることなかった。幼少期に出会った斉彬の「弱いものを助けるものになれ」という言葉を信条にし、年貢に苦しむ農民のため身を削る生活を送っていた。その中で幼馴染の大久保正助(瑛太)はお城で働く役人となり、一気に出世コースを走ることになる。

 彼の出世を自分のことのように喜ぶ吉之助は、彼の役目就任を祝う席に出席。そこで吉之助は現在の薩摩藩を憂い、ポロッと「斉彬が藩主になれば現状も変わっていく」と漏らす。周りの人間は現藩主を認めない発言にざわつくも、そこに赤山(沢村一樹)と岩井糸(黒木華)がやってくる。糸は過去に吉之助や正助と共に妙円寺詣りを経験した女の子だった。学問を身に付けることで清楚さを漂わせる彼女に、正助は自然と惹かれていく。

■「立派なお侍」と言われて自責の念に駆られる吉之助

 吉之助が税金を徴収する農家に、白米も食べたことのない「ふき」という女の子がいた。もし、年貢を納められないと彼女は売られることになってしまうことを知った吉之助は、なんとか農民の生活を軽くするため調所広郷(竜雷太)の元へ直談判に向かう。その結果、税を軽くする吉之助の案を受け入れてもらうも、抜根的な問題解決に至らなかった。

 悩んだ末、吉之助は赤山に嘆願して斉彬との面会時間を工面してもらうことになる。彼は朝早くから約束の場所へ向かおうとするも、同時刻にふきが借金の方として連れて行かれることを糸から聞く。板挟みになるも、吉之助はふきを助けるために彼女の元へ走っていく。しかし、彼の努力も虚しくふきは連れて行かれることとなり、「最後に立派なお侍さんに会えてよかった」と告げられる。その言葉を聞いた吉之助は、何もできない無力さを嘆きながら泣き叫ぶことしかできなかった。

■元来の西郷隆盛像とはかけ離れた姿を熱演

 第2話では西郷吉之助の理想に燃える姿を描きながら、熱意だけでは誰も救えない現実を叩きつけるシーンが中心となった。今までにない西郷隆盛像を鈴木亮平が見事に演じており、非常に見ごたえのあるエピソードとなっていた。このシーンを見るだけでも価値のあるドラマではないかと感じた。これから日本を動かす人間となっていくのだが、どのような変貌の遂げ方をするのか非常に楽しみである。

 「西郷どん」はNHKにて毎週日曜日20時から放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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