資産運用、7割以上が未経験 金融知識不足が原因か

2017年11月10日 19:49

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

将来への不安から資産運用の必要性は感じていながらそれが実践できていない人が全体のおよそ7割にのぼる。

将来への不安から資産運用の必要性は感じていながらそれが実践できていない人が全体のおよそ7割にのぼる。[写真拡大]

 資産運用の必要性は多くの人が考えるところだが、実際に資産運用をやっている人というのは決して多くはないということが日本法規情報の調査でわかった。この調査によると実施対象となった人のうちおよそ半数は資産運用に対する必要性を感じているものの、資産運用を実践している人は少なく、7割以上の人が資産運用未経験との結果だった。資産運用の必要性は感じているものの、なぜ実践に至らないのだろうか。

【こちらも】元手資金ゼロからはじめる世界初の資産運用「マネーハッチ」を開始

 同調査では、資産運用を実践したことがない人について、その理由についても確認している。その中で最も多い回答だったのが「金融知識の不足」だった。資産運用をしたいものの、知識不足から損失を出してしまうのではないかという不安が大きいのだという。その次に多いのが運用するほどの資金がない、というものだったが、仮に資金があったとしても知識がなければ運用することは難しいだろう。一言で資産運用といってもその方法には様々なものがあり、現在手持ちの資金に対して最適な方法を選択するためには金融知識が不可欠だろう。

 こうした資産運用の経験がない人が多いという状況は日本経済に及ぼす影響について考えた場合、運用されなかった資産がどうなるのか、ということに帰結する。基本的には運用されない資産というものは貯蓄に回ることになるため、資産運用の経験がないということはそれだけ多くの人が貯蓄しているということだ。日本の個人金融資産はおよそ1700兆円にものぼるとされているが、金融庁の調査によるとおよそ半数以上が現金や預金の占める割合だといわれている。これだけの金額が投資などの資産運用に回ることがないまま貯蓄されているというわけだ。

 

 運用されない資産というのは、それだけ経済に還元されない資産ということになる。経済の活性化のことを考えた場合、貯蓄よりは投資などに回ったほうが望ましいが、実際には知識不足など様々な要因から資産運用に至っていないのが現状だ。こうした状況というのは今後も継続していく可能性が高く、劇的な変化がなければ難しいとの見方が強い。そのため、個人レベルでの意識改革を促進するような方策と、そのための適切な情報開示、運用方法などを政府主導で進めていくことが必要となる。金融知識の問題解決とそのための具体的な道筋が見えてくれば、この現状を打破するためのひとつのきっかけとなることは間違いないだろう。(編集担当:久保田雄城)

■関連記事
日本の3メガバンク、大リストラへ 低金利下で収益性低下 ~IMFも警告
助け合いは大切だが、他人には頼らない 日本人的な配慮が浮き彫りに
資産運用で注目される外貨預金 利用は1割に留まる
「成年後見制度を利用している」はわずか6.4% 「認知症の人に対する家族等による預貯金・財産の管理支援に関する調査」より
三菱UFJ信託銀行が法人融資事業を三菱東京UFJ銀行と統合へ

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事