次期 FRB 議長人事によるドル円への影響は一時的となろう、SMBC日興証券(花田浩菜)

2017年10月31日 12:32

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記事提供元:フィスコ


*12:32JST 次期 FRB 議長人事によるドル円への影響は一時的となろう、SMBC日興証券(花田浩菜)
こんにちは、フィスコリサーチレポーター花田浩菜の「SMBC日興証券の気になるレポート」です。

18日にホワイトハウスが次期FRB議長を数日中に発表すると表明して以来、候補者や想定される施策に関心が向かっていますね。10/31付けの「主要通貨デイリー」では、次期FRB議長人事の影響について考察していますのでご紹介します。

同レポートではまず、『米CNBCによると、トランプ大統領はFRB議長の後任人事を11月2日に発表する見通しだ。足元ではパウエルFRB理事が最有力とみられ、次いでテイラー・スタンフォード大学教授が有力とされている』と伝えています。

続けて、ハト派(利上げに消極的)とみられるパウエル理事が指名された場合は、『市場は一旦ドル売りでの反応が予想される。もっとも、パウエル理事は現FOMC(連邦公開市場委員会)メンバーだが、金融政策に関する自身の見解を述べることが少なく、理事就任以降FOMCの決定に反対票を投じたことがないこと等を勘案すると、同理事はコンセンサスを重視する性格と推測される。大半のFOMCメンバーは2018年中3回の利上げを支持しており、仮にパウエル理事が議長になったとしても利上げペース鈍化の公算は小さい』と分析しています。

一方、タカ派(利上げに積極的)とみられるテイラー・スタンフォード大学教授が指名された場合は、『氏が考案した適正な政策金利の水準を計算する「テーラー・ルール」に基づくと現在の政策金利は適正水準から大幅に下方乖離しているとされ、利上げペース加速を招くとの見方がある。テイラー氏の就任は米金利上昇を受けたドル高円安、新興国通貨の対ドルでの下落が想定されよう。ただ、同氏はルールの厳格な使用を否定しており、柔軟な対応を示唆。また、利上げは投票権を持つFOMCメンバーの多数決で決定されるため、テイラー氏の政策方針が必ずしも反映されるわけではなく、急ピッチな利上げは見込み難い』と見ています。

最後に、大半のFOMCメンバーが来年3回の利上げ見通しを変える必要はないと考えているとして、『議長人事の指名を受けてドルが下落した場合は、ドルの下値を拾うスタンスで臨みたい』とまとめています。

詳しくは10/31付けの「主要通貨デイリー」をご覧になってみてください。

また、面白いレポートを発見したらご紹介しますね。

花田浩菜の「気になるレポート」は各種レポートを花田浩菜の見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートを御確認くださいませ。

フィスコリサーチレポーター花田浩菜《DM》

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