19日の香港市場概況:ハンセン1.9%安と6日ぶり反落、車セクターに利益確定売り

2017年10月19日 18:03

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記事提供元:フィスコ


*18:03JST 19日の香港市場概況:ハンセン1.9%安と6日ぶり反落、車セクターに利益確定売り
19日の香港市場は大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比552.67ポイント(1.92%)安の28159.09ポイントと6日ぶりに反落、本土企業株で構成されるH株指数も264.50ポイント(2.28%)安の11357.45ポイントと反落した。売買代金は1165億1500万香港ドルに拡大している(18日は875億8100万香港ドル)。

中国の指標発表をきっかけに売られる展開。第3四半期の国内総生産(GDP)成長率や9月の重要経済指標が取引時間中に公表されるなか、材料出尽くしが意識されている。ハンセン指数は今週に入り連日で年初来高値を更新し、足元では約10年ぶりの高値を付けただけに、利食い売りも出やすい状況だった。注目のGDP成長率は6.8%となり、第2四半期の実績(6.9%)から減速したものの、事前予想とは一致。小売売上高や鉱工業生産額は予想を上回った。

証券取引規制の動きも警戒される。香港証券業協会の張為国・主席はこのほど、中国本土の制度に合わせる形で、香港でも株式売買の実名制を実施すべきとの見解を示した。域内金利の急上昇もマイナス。香港銀行間取引金利(HIBOR)の3カ月物は前日の0.799%から0.835%に急伸し、上昇幅は今年最大を記録した。指数は終盤に入り、下げ幅を広げている。

ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が7.4%安と下げが目立った。H株指数の構成銘柄でも自動車株が急落。比亜迪(BYD:1211/HK)が5.6%安、長城汽車(2333/HK)が3.5%安、東風汽車集団(489/HK)が2.6%安で引けた。

H株金融セクターも軒並み安。華泰証券(HTSC:6886/HK)が3.7%、新華人寿保険(1336/HK)が3.6%、中国工商銀行(1398/HK)が3.2%ずつ下落した。

石炭と鉄鋼セクターも売られる。エン州煤業(1171/HK)が4.4%安、中国神華能源(1088/HK)が3.0%安、中国中煤能源(1898/HK)が2.7%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.3%安鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が2.7%安と値を下げた。

本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.34%安の3370.17ポイントで取引を終えた。証券株と鉄鋼株が安い。ゼネコンや建機のインフラ関連株、発電株、ITハイテク関連株なども売られた。半面、時価総額上位の銀行株や消費関連株の一角はしっかり。上海市場の代表的な50銘柄で構成される「上海50A株指数」は0.1%高と小幅ながら続伸し、約2年3カ月ぶりの高値で引けた。

【亜州IR】《CS》

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