ZMPと森ビル、自動走行宅配ロボットの実証実験 森タワー内で書類配送へ

2017年10月7日 16:28

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 ZMPと森ビルは6日、日本初の自動走行宅配ロボット「CarriRo Delivery(キャリロデリバリー)」の実証実験を8日より開始することを発表した。

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 「CarriRo Delivery」は荷台部に宅配ボックスを搭載し、レーザセンサとカメラで周囲環境を360度認識しながら、最大時速6キロで走行する宅配ロボット。遠隔監視を行うと共に必要に応じて遠隔操作も可能にするという。

 実証実験では、六本木ヒルズ共同物流センターや店舗等から森タワー内オフィスに、エレベーターも使用して書類等の荷物を配達する。同物流センターからテレビ朝日社屋等の六本木内各施設に、荷物を配達する実験も予定しているという。

 「CarriRo Delivery」を手掛けるZMPは、自動運転車や運転支援技術の開発用車両、物流ロボット等を展開している総合ロボット会社。14年より物流支援ロボット「CarriRo(キャリロ)」の開発に着手し、16年より出荷を開始していた。今回はそのノウハウを応用し、宅配ロボットとしての実証実験を開始する。

 公開されている動画を確認すると、ボックスのサイズも複数あり、スーパーからの生鮮食品、薬、クリーニング、ファストフードなど多方面での活用場面が見られる。受け手もロボットの現在地や到着を、スマートフォンにて逐一確認することが可能。ロックもスマートフォンをかざすとボックスの扉がオープンする仕組みになっている。

 宅配ロボットの実用化には法整備が追いついていないと言われている。宅配ロボットがトラクターなどの小型特殊自動車に分類されてしまうと、期間限定でしか歩道を通行できないという。日本は規制が厳しく、ドローンやロボットの実証実験に欧米や中国から遅れをとっていることから早急な規制緩和が期待されている。

 現在、配送業界は人手不足が深刻になり、その歪から生じる問題も露になっている。六本木を始めとする都市部における高層ビル間の配送などは、ロボットこそ十分活躍できる余地があると言われている。「CarriRo Delivery」のような宅配ロボットが集配施設から顧客宅までの「ラストワンマイル」を代行して、配達員の負担を減らし消費者の利便性が高まることを期待していきたい。

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