ペンで書いた1mmの点が識別タグに、NECが新技術「マイドット」開発

2017年7月19日 17:04

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マイドットの認証手順(登録・識別・認証)(写真; NECの発表資料より)

マイドットの認証手順(登録・識別・認証)(写真; NECの発表資料より)[写真拡大]

 市販のペンで何かに点を書けば、それが識別タグになる技術「マイドット」を、NECが開発した。19日の発表によると、様々なモノに書かれた“点”をカメラで撮影し、インク内部の微細なパターンを認識することで各ドットを個別に識別できるという。バーコードの貼付不可な超小型電子部品やモノのやり取りにおける管理タグなどへの応用が期待される。

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 インク内の粒子はランダムで同一のパターンが発生しにくく、1つ1つのドットが複製困難な識別タグになる。それは直径約1mmでも例外ではない。そのため、多様なモノに手書きで、手軽にタグを付けられ、さらに誰でもどこでも使える高い利便性を有している。

 従来のバーコードといえば、多くのモノに付与されている幅の異なる白黒の縞模様を想起する。ほとんどの生活用品に使われ、また物流管理や工業用、宅配便の伝票から図書の貸し借りまでその用途は幅広い。ただ、どうしても一定のサイズが必要だった。

 だが、これからは、より小さいサイズのバーコードをより簡単に付与でき、バーコード印刷やシール貼付も不要になる。機械による均一なドットでも識別できて、クラウド上データベースからの識別機能によりデジタルサービスと実際のモノとのリンクも可能と、応用範囲も広い。

 例えば1mmほどの超小型部品管理はインク1滴あれば可能になるし、業務用備品、レンタル業における大量の貸し出し品管理は低コストで行える。多数の人が利用するオフィス、宿泊施設、ロッカー設備などの利用にあたっては、1人の所持品がその人固有の鍵やセキュリティカードになる。

 インターネット上の電子商取引でも、ドットをつけた対象物と品名や売買日時、発送日等の流通情報を関連付けてクラウドサーバに登録すれば、各種情報確認も即座に可能。販売環境が整備されていないフリーマーケット会場などでの取引もドットで成り立つ。

 ネット上のフリーマーケットやシェアリングエコノミーが活性化するなか、モノのやり取りや取引データの管理には簡便さが求められている。今回、それに応える新技術が誕生したこととなる。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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