ソフトバンク・内川聖一、完全復調 いざ首位攻防戦へ

2017年6月30日 11:55

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 27日から行われていたパリーグ2位・ソフトバンクホークス対5位・日本ハムファイターズの3連戦はソフトバンクが3連勝し、勢いの差を見せつけた。この3連戦、ホークス打線で存在感を発揮したのは、ケガから復帰したばかりの4番・内川聖一だった。

■ベテランらしい勝負勘

 29日の3戦目、決勝打は早々と放たれた。一回裏、内川の放った渋い安打が結果的にこの試合の決勝点となった。

 2死2塁で迎えた初打席。日本ハム先発のメンドーサに対した内川はボールを見極めファウルで粘りながらフルカウントの場面を作る。6球目、やや高めのストレートを逆方向にはじき返すと、打球が一塁ベースに当たったこともあり一塁手の中田翔は逆を突かれて捕球できず、このゲーム唯一の打点を挙げる安打に。そして、ホームに帰還したのは先頭打者として四球で出塁した、こちらもベテラン川崎宗則。勝負所を知る、2人のベテランは数少ないチャンスとなることを予測するかの如く、初回に訪れた好機をきっちりと得点に結びつけた。

 5回を投げ4安打と好投の日本ハム・メンドーサをはじめ、宮西、谷元といったリリーフ陣にも抑えられたこの日のソフトバンク打線だったが、対するソフトバンクも先発・松本から始まり、5投手のリレーで相手に得点を与えず零封リレーで逃げ切った。

■勢いに乗り首位攻防戦へ

 内川は、交流戦の最中、頚椎を痛めたことにより戦線を離脱、27日に復帰したばかり。それでも、この日を含め3試合連続安打を記録、4番として同一カード3連勝に導いた。

 2,000本安打まで残り40本に迫り、打率もリーグ2位につけている。記録達成やタイトルも射程距離に捉え、気力も充実のベテランがソフトバンク躍進の原動力となっていることは間違いない。さらに柳田、松田、デスパイネ等、強打者が並ぶソフトバンク打線も調子を上げてきており内川復帰により、夏場を迎えチーム全体が上昇気流に乗ったことは明らかだ。

 この日の勝利で、試合のなかった首位楽天とのゲーム差は0.5、6月30日からはいよいよ直接対決の3連戦が始まる。頼りになるベテランが復調した今、首位返り咲きはもはや時間の問題かもしれない。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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