巨人、セリーグ初の無安打無得点リレー、山口俊が移籍後初勝利

2017年6月15日 08:21

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■山口、巨人デビュー


 15日、プロ野球のセ・パ交流戦、巨人対ソフトバンクが行われた。巨人の先発は横浜DeNAベイスターズからFAで移籍した山口俊。山口は怪我で出遅れ今季初登板となったが、いきなり、現在12球団3位のチーム打率を誇るソフトバンクの強力打線と対戦することになった。同じくFAで入団した楊岱鋼と共に巨人の救世主となれるかに注目が集まった。

 怪我で出遅れたことで、この試合で結果を残せなければ、今後の登板機会も危ぶまれていたかもしれない山口。さらには巨人というビッククラブのデビュー戦で失敗は許されないというプレッシャーがあった。まさに進退をかけたピッチングになる試合で、山口は鮮烈なデビューを果たすことができた。

■最高の立ち上がりを見せた山口


 初回ソフトバンクの先頭・川﨑宗則を三振に取ると続く今宮健太はセンターフライでアウトを取った。3番の中村晃に対しても空振り三振を奪い、2三振と最高の立ち上がりを見せた。続く回は先頭の4番、柳田悠岐をフォワボールで歩かせてしまったが、続く松田宣浩を三振、柳田の盗塁失敗、上林誠知を三振に取るなど今シーズン初登板とは思わせない最高のピッチングをした。

 3回も長谷川勇也、石川柊太から三振を奪って三者凡退に抑え、この回までで6奪三振。さらにこの裏の回、自身がバッターボックスに立つとこの試合初のヒットも放った。続く楊岱鋼がセカンドゴロに抑えられたためチェンジとなったが、まさしくこの試合は「山口劇場!」と言っていいほど孤軍奮闘していた形だ。

 続く4回も1つの三振を取り、1つのフォアボールを出したがまたも盗塁を阻止し、結果的には3人で攻撃を終了させた。巨人も合わせるように凡打を築き上げられ均衡状態が続く。5回は初めて三振が取れなかったが三者凡退に討ち取ると、その裏の打席で山口に打席が回った。

 ツーアウト1、2塁で打席に立った。今日の「山口劇場」を考えるとファンはヒットを期待しただろう。しかしそう甘くはなく、ここは見逃し三振で切って落とされた。6回は2つのフォアボールを出すも無失点で切り抜けた。

■まさかの交代


 6回裏、坂本がホームランを放ち巨人が先制した。しかしこの試合の一番の驚きはここではなかった。7回頭に出てきたピッチャーはマシソンだった。ここまでノーヒットに抑えてきた山口が交代。7回、8回とマシソンが9回にカミネロがノーヒットピッチングを果たしたことにより、3人でノーヒットリレーを達成できた。

 まさかの山口交代だったが、6回表は2つのフォアボールに加えボークも記録し、球数も100球を超えるなど、代え時だったとも言える。。一人でノーヒットノーランすることよりも大きな意味を持ったデビューとなったかもしれない。

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