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乃木坂・生田絵梨花の『岩谷時子賞奨励賞』にかけた思い
乃木坂46の生田絵梨花が、第8回岩谷時子賞奨励賞を受賞した。岩谷時子といえば、越路吹雪のパートナー(マネージャー)として、公私にわたって彼女を支えながら、自らも『愛の賛歌』『君といつまでも』『恋のバカンス』といったヒット曲の訳詞、作詞を手掛けた戦後を代表する作詞家であり、晩年はあの本田美奈子を『越路吹雪の再来』と評価して、多くの楽曲を提供したことでも知られている。
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まだ8回と回数は浅いものの、これまでも奨励賞は藤本隆宏、中村勘九郎、新妻聖子らの実力派が受賞している、権威のある賞だ。
今回、生田絵梨花は、ミュージカル『レ・ミゼラブル』のコゼット役を評価されての受賞ということで、乃木坂としてではなく、個人としての受賞は初めてとなり、喜びにあふれたコメントを出している。
ただ、この『レ・ミゼラブル』を見た者としての、個人的な感想は、「まだまだ向上の余地はある」というものだったのが正直なところだ。
生田は、綺麗な歌声だし、発音や滑舌もよかったが、唯一、ミュージカル女優にとっては絶対に必要だと思われる声量…迫力が、どうしても足りなく感じたのである。もちろん、同世代の女優の中では頭一つ抜けているが、新妻聖子や中村勘九郎と比肩するかといわれると、少々違和感がある。やはり乃木坂ブランドが効いたか?などと勘繰りたくもなるのだが、受賞後のインタビューを見て、その懸念は払しょくされた。
生田絵梨花は、賞金の100万円をすべて観劇に費やしたいと発言したのである。AKBを卒業した直後、前田敦子は海外に芝居の勉強に行き、大島優子も幾多の舞台、映画を見たという。それを現役アイドルの忙しいスケジュールの合間にやり遂げようとするのだから、その貪欲さにはあきれ返るばかりだ。
自分に足りない部分を自覚し、それを克服しようと思っていなければ、なかなかできない発言を、彼女は当たり前のようにしていたわけで、この向上心の強さがどこから来るのか……。
いずれにせよ、まさに「奨励賞」に値する彼女の受賞に心から拍手を贈りたい。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)
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