荒木2000本安打、村田350本塁打達成 プロ野球

2017年6月4日 07:09

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■荒木2000本安打達成

 中日ドラゴンズの荒木雅博内野手は3日、楽天との試合で4回にヒットを放ち、史上48人目となる2000本安打を達成した。荒木は走攻守に置いて高い技術を兼ねそろえている選手。盗塁王1回、ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞6回に輝いている。大記録達成時には星野仙一楽天副会長が花束を贈った。

 星野副会長は荒木の入団当時の中日監督。「18の頃から知っていて、目の前で達成したのでウルっときた」と目頭を熱くした。まさに「恩返し」と言える荒木のヒットは敵軍である星野副会長を喜ばせたに違いない。目の前で達成した大記録は2人の「縁」を物語っている。

 星野副会長は当時を振り返り、打撃は課題だったが「使ってみよう」という気にさせてくれたと語る。まさに自分の直観を肯定してくれる荒木の活躍にはやはり涙が出るくらい嬉しかっただろう。

 この日の試合には勝つことができず花を添えることはできなかったが、チームが不振な中、明るい材料となった。これを機にチームが上昇してくれることを願う。

■村田350本塁打達成

 同じ日、読売巨人軍の村田修一内野手がオリックスとの対戦で史上29人目となる350本塁打を達成した。5点を追う6回、無死満塁からの満塁弾で反撃の狼煙を上げる大きな1発だった。しかし1点差にまで詰め寄ったものの、その後得点を挙げることはできずチームは敗れた。

 今シーズン、村田は出場機会をあまり得ていない。序盤は代打起用と言う立ち位置で歯がゆい思いを何度もしてきたことだろう。しかし己の最大限の魅力である「本塁打を打てる」という長所は磨き続けていた。交流戦に入り、3日続けて本塁打を放ち存在感を示した。

 「試合に出れば本塁打を打つ」バットでそう物語っているようにも思えた。9連敗を喫し泥沼状況の中一人気を吐く村田は、チームの起爆剤になってくれるのか見ものだ。

■村田の本塁打を誰よりも喜んだ男

 巨人の江藤智打撃コーチは、村田の本塁打を誰よりも喜んだ男かもしれない。村田と同じくFAで巨人に入団した江藤コーチは、その境遇を誰よりも分かっているはずだ。記録達成時は、握手を交わして労った。村田にしてみても出場機会に恵まれない中、こういったコーチがいるのはありがたいことだろう。

 さらにチームの不振により江藤コーチへ厳しい視線も注がれる状況。そんな中での村田の4打点は敗戦とはいえ大きな貢献と言える。2人が支え合って「外様パワー」でチームをけん引し、優勝争いに顔を出してほしい。

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