間葉系幹細胞の自動培養システム開発、生産能力大幅向上に期待

2017年2月4日 18:56

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記事提供元:エコノミックニュース

間葉系幹細胞は、外胚葉や内胚葉由来の組織細胞へも分化することもわかってきており、再生医療での細胞源として期待されている。

間葉系幹細胞は、外胚葉や内胚葉由来の組織細胞へも分化することもわかってきており、再生医療での細胞源として期待されている。[写真拡大]

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 自己増殖や別の種類の細胞に分化する幹細胞は、iPS細胞やES細胞がよく知られているが、これ以外にも体内にあって中胚葉由来の骨や軟骨へ分化する間葉系幹細胞が存在する。間葉系幹細胞は、外胚葉や内胚葉由来の組織細胞へも分化することもわかってきており、再生医療での細胞源として期待されている。こうしたなか、ロート製薬はバイオ関連機器開発のマイクロニクスと共同で、間葉系幹細胞の自動細胞培養装置・保管システムを開発した。同装置を自社研究施設「ロートリサーチビレッジ京都」に設置し、肝硬変治療用の間葉系幹細胞などの治験に活用するとのこと。

 同装置の生産能力は年間約1800億個を誇り、ロボットにより熟練培養者と同等の作業が完全自動で実施できる。装置導入で、大量生産および作業者削減が実現でき、製造原価は手動培養に比べ30%以上削減できるとのこと。培養のみならずラベリングや細胞の凍結保存までの一連の作業が可能となっている。また、品質管理の一環として、細胞の形態観察などの画像解析も自動で行う。今後は2017年夏をめどに基礎研究用途向けに提供を始める計画。

 間葉系幹細胞は免疫寛容能が高いこともあり、さまざまな細胞治療に役立てられる可能性がある。また、採取のしやすさや増殖性の高さから、基礎研究や臨床応用がさかんな分野で、細胞治療に対する期待は世界的に高まっている。間葉系幹細胞により障害組織を置き換える細胞補充療法や間葉系幹細胞からの液性因子による免疫制御、抗炎症作用による治療の研究が行われ、治療的有用性がさまざまな疾患にて確認されている。たとえば、関節や皮膚、中枢神経や内臓などに炎症などの症状が起こる、全身性エリテマトーデスや、炎症性腸疾患のクローン病では、炎症抑制および腎臓や腸の障害軽減が確認されている。糖尿病などの内分泌系疾患では、腎機能や心機能の回復が報告されている。また、多発性硬化症、メニエール症、筋萎縮性側索硬化症、神経麻痺などの神経疾患での治療効果や肝硬変やB型肝炎での肝機能改善が報告されている。間葉系幹細胞の培養技術の向上によって、治療用細胞としての間葉系幹細胞の普及が期待される。(編集担当:久保田雄城)

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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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