戸惑いと愛しさと爆笑。「 スカーレッドライダーゼクス 」感想の総括

2016年10月1日 18:15

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戸惑いと愛しさと爆笑。「 スカーレッドライダーゼクス 」感想の総括(c) 2016 RED/Rejet/STORY RIDERS,SRX PARTNERS

戸惑いと愛しさと爆笑。「 スカーレッドライダーゼクス 」感想の総括(c) 2016 RED/Rejet/STORY RIDERS,SRX PARTNERS[写真拡大]

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 3か月続いた「 スカーレッドライダーゼクス 」も無事に最終話を迎えました。紅の世界の住人・ナイトフライオノートたちとの戦い、そして絆を深めるバンド活動。ヒロインであるアキラとの関係性やLAG上層部との軋轢に困惑し、爆笑し、切なくなり、腹が立った三か月がついに終わりを迎えました。

 オリジナル展開を加えたことで原作ファン、そしてアニメ化から入った視聴者、ともにいい意味で驚かせ続けてきたこの作品、いかがだったでしょうか。

 この1クールを通して感想コラムを担当させていただいた筆者、井之上。この作品の感想コラムに手を挙げた理由はただただ、同人活動で敬愛かつ溺愛しまくっている相方(「グリムノーツ」「刻のイシュタリア」などでイラストレーター「 眠介 」の名前で活躍中)が過去にプレイしてファンアートまで描いていた作品だから、というアレなものでした。

 不純すぎてごめんね。

 そのせいか第1話時点では「一見さん置いてきぼりすぎるんですけどー!?」と困惑かつ困惑のうえ、「これ完走できる?大丈夫?」とかなり不安に思ったりもしていましたが……!

■ツッコミ要素が多いからこそ、キャラに愛着がわいてくる


スカーレッドライダーゼクス 9

画像引用元:公式サイト

 この作品、なんといってもツッコミどころが多い。多すぎる。

 原作が乙女ゲームとは思えない作風。まず乙女ゲームなのに特撮系スーツ物っておかしいとは誰も思わなかったのか。

 とにかくやたら料理にしいたけを入れたがるヨウスケだったり、「僕を殴れ」と言いながらなぜかクロスカウンターしちゃうタクトだったり、もはや存在自体がツッコミどころで固められているカズキだったり。

 そのほかにもツッコミどころはほぼ毎回数えるのも面倒なほどあり、さらにスーツとバイクのダサさもあいまって「これホントに乙女ゲーだったの?え、どこ路線なの?」と思いながらも視聴を続けていました。

 ですがそれゆえに、とにかくみんな可愛くて愛すべきキャラクターたちだと思えてくる不思議。

 ライダーほか、補佐官の甘粕くんや石寺長官もとにかく「え、こんなことしちゃう人なんですか?」という場面があり、いたって普通の人なんだという視点で見られるようになるので非常に愛着がわいてきます。

 シリアスなキャラは最後までシリアスで通しますが、全体の人数に対してそれが圧倒的に不足しているためとにかく人数が集まっているシーンなどはとにかく和みます。

 ツッコミどころを多くすることでプレイヤー、アニメに関しては視聴者に身近な存在として認識させる狙いがあるのかな?と思いました。

 なんせ愛着わきすぎて、1話ではあまりのダサさに噴いたスーツ姿ですら最終話ではカッコよく見える始末。

■ツッコミたい人寄っといで


 まぁそんなわけもあり、テレビ番組に対してツッコミながら見ちゃう人には非常におすすめです。

 回によってはツッコミが追いつきません。というか4話は本当にツッコミが追いつきません。終盤数回の重さを考えると、本当になぜこの回を入れなきゃいけなかったのか未だによく分からないほどのネタ回。

 いえ、分かってるんです。タクトがアキラちゃんを意識するために絶対必要な回だったのは分かってるんです。でもやっぱり今考えても絵面がひどすぎて笑える。

 全12話ある中で、1回もツッコまずにいられたのはたった1話だけですからね。もう相当ツッコミ甲斐があります。メインキャラのほとんどがボケてくれます。

■戦闘とバンド描写はあまり期待しちゃいけない


スカーレッドライダーゼクス 5

画像引用元:youtube.com

 え、特撮系スーツ物だし主人公たちはバンド活動もしてるアニメでキャラソンも出てるのにそこ期待しちゃいけないの?と思われるかもしれませんが、残念だったな!力入れる場所をちょっと間違ってる感じがこの「 スカーレッドライダーゼクス 」なんだぜ!!という感じです。

 特にバンド演奏部分、がっつり描写したの全12話中の何分間だよ!というレベルです。

 話の根幹に抵触する部分なのになぜ……と未だに不思議ではありますが、ではどこに力を入れているかというと?

■キャラクターの心情描写が細かい


 ヒロインであるアキラちゃんをはじめ、メインヒーローのヨウスケやほかのライダーたち、さらにはオリジナルキャラクターであるハコちゃんに至るまで心情描写はとにかく魅せてくれました。

 特に3話以降の表情の細かさは目を見張ります。ちょっとした感情の変化が眉や目の動きで見て取れるのは必見です。

 それゆえに動揺しやすいキャラクター、行動はエキセントリックだけど内面は優しいキャラクター、とにかく芯が強いキャラクターなど、言動だけでなく表情に滲み出ているように思えて非常に各キャラ好感が持てます。

 そのせいでまさかこの作品で泣かされるとは思ってなかったなんてことにもなりました。

 非常に感情移入がしやすい描写がなされているので、最終的にキャラクターのほとんどを大好きになれる作品です。

■気になることがあったら派生作品を買ってね☆


 ジャンル者の友人に言われ、コラム内でも何度か書かせていただきましたが、分からない部分があったら派生作品を買ってね!という作品でもあります。

 ドラマCD、小説版、資料集、そこでしか明かされていない部分が数多いらしいです。

 この商売上手さんたちめ……!!と苦々しく思いつつ、友人やファンの皆様の呟きから拾って気になりまくっていることを少しだけ挙げさせていただきます。

 ・タクトの女装ってなに
・タクトストーカー案件ってなに
・ヨウスケのお母さんってなに
・岡崎監察官の弟さんになにがあったの
・ちんすこうがどうした
・ビーフストロガノフはなんだったの

 以上です。

 特にヨウスケのお母さんの件と岡崎監察官の弟さんの件は本当になんなんですか!絶対これ本編じゃないよね!?派生作品だよね!?

 こんな感じで派生作品に興味を持たせてくる作品です。うっかり気になってしまった人は軽率に手に取っちゃうのもいいかもしれません。

■「 スカーレッドライダーゼクス 」を見終えて


スカーレッドライダーゼクス

最後まで読んでくれてありがと~!(画像引用元:公式サイト)

 すごく楽しかった!!みんな本当に可愛くて、途中までオリジナルキャラクターだと知らなかったハコちゃんもすごく大事にキャラメイクされてて、そのせいで岡崎監察官がもう本当に憎らしく思えました。

 1話から4話くらいまでは真剣に困惑しながら見ていたんですが、そんな3か月前の自分にかける言葉があるとしたら「それな、癖になるから」といい笑顔で言いたいです。

 来週からは彼らのツッコミどころ満載な、シリアスの皮を頭のてっぺんにだけ乗せたストーリーを見られないんだなぁと思うととても寂しく思えます。

 最後に。この作品の感想コラムのリリース後、ツイッターなどでこそこそと反応を見て回ったりもしていました。
息の長いファンの方の多いジャンルで不安な部分もありましたが、本当に好意的に読んでくださり、「この人の感想好き」などのお言葉を散見するたびこの作品の楽しさが増したように思いました。

 この作品の感想コラムを追ってくださっていた方々、本当にありがとうございました。

 秋期アニメの感想コラムは「終末のイゼッタ」「クラシカロイド」「刀剣乱舞・花丸」を担当させていただくこととなりました。
サイクルが短く、3か月単位で大量のアニメが入れ替わる昨今。あなたの視聴する作品があれば、また感想を読んでいただけたら嬉しいです。

2016年夏アニメ 『 腐男子高校生活 』のまとめ

(あにぶ編集部/井之上)

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