中国:河北省のアパレル会社が86億円脱税、上場を画策

2015年2月13日 10:16

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記事提供元:フィスコ


*10:18JST 中国:河北省のアパレル会社が86億円脱税、上場を画策
河北省のアパレル会社が過去4年で総額33億人民元(約628億8700万円)規模の虚偽の発票(領収書)を発行し、合わせて4億5000万人民元(約85億7500万円)を脱税していたことが分かった。事件にかかわる企業は300社余りに上り、既に92人が逮捕されている。主犯格は同社経営者。最終的には株式市場での上場を目指していたという。中国政府系メディアが11日付で伝えた。
アパレル会社の名称は「興弘嘉紡績服装」。2010年に設立された。初期投資額は18億人民元。河北省故城県西苑工業区内に工場を持ち、米ニューバランスやウォルト・ディズニーなど30カ国余りの著名ブランド向け生産を手掛けている。
生産規模を順調に拡大し、設立から数年で現地でも有名な企業となった。複数の高校に約400万人民元を寄付するなどし、経営者である郭建勇氏は河北省第12期全国人民代表大会の人民代表にも選出された。
ところが2013年5月、福建省アモイ市警察は、興弘嘉紡績服装が提出した大量の税関申告書に問題があることを発見。10カ月に渡る捜査を経て、同社による巨額の脱税を摘発することになる。
警察によると、興弘嘉紡績服装が4年間で申告した税関報告書は800枚余り。製品はほとんどが下着だったが、製品総額を実際よりも高めの価格である1億5000万人民元として申告していた。
14年7月、公安部と税務総局は郭氏を含む7人を容疑者として逮捕。294の銀行口座と90冊余りの帳簿を凍結した。興弘嘉紡績服装と関連企業は虚偽の増値税発票3万4699枚(金額にして33億700万人民元)を発行し、仕入れ増値税5億6000万人民元の還付を受けていたことが分かっている。
興弘嘉紡績服装は、仕入れた原材料を生産したとして、22省・直轄市の紡績企業374社が発行した虚偽の増値税発票を額面の6.5~8%で購入していた。発票は約60枚見つかっており、その額面は7000万人民元超。6.5%として計算しても450万人民元を得ていたこととなる。
また税関申告書2992枚を手に入れ、輸出増値税4億5000万人民元の還付を受けていた。公安関係者によると、南方の沿海地域のアパレルメーカーは貿易権を持たず、輸出増値税の還付申請ができないが、貿易会社は可能。興弘嘉紡績服装はこの点を利用し、仲介料を受け取っていた。このほか地下銀行を通じた買為替で、コミッションを受け取るなどしていたようだ。
郭氏の最終的な目的は、興弘嘉紡績服装の上場。3年で脱税による資金調達を行い、企業を買収、事業を拡大する。次の3年で管理を規範化し、関連企業を清算、資金のつじつまを合わせ、犯罪の潔白を示す。最後の2年で会社を美化し、上場準備をするという8年計画だったという。
郭氏は興弘嘉紡績服装以外に、山東、福建、上海、浙江省や香港などに16社を持ち、脱税で得た4億5000万人民元は運転資金や企業の買収、拡張などに運用していた。

【亜州IR】《ZN》

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