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今日の為替市場ポイント:スイス中銀が対ユーロでのスイスフランの上限レート撤廃
*08:58JST 今日の為替市場ポイント:スイス中銀が対ユーロでのスイスフランの上限レート撤廃
昨日15日のドル・円相場は、東京市場では117円13銭から117円94銭で堅調推移。欧米市場では116円17銭まで反落し、116円20銭で取引を終えた。
本日16日のドル・円は主に116円台前半で推移か。スイス中央銀行は対ユーロでのスイスフランの上限レートを撤廃したことによってリスク回避的な円買いが急増した。ただし、115円台後半には短期筋や顧客筋などのドル買い注文が残されており、ドルは115円台後半で下げ渋る可能性がある。
スイス中央銀行(SNB)のヨルダン総裁は15日に行われた記者会見で、「スイスフランの上限はなくなり変動相場制に戻ったが、状況を把握する際には為替相場を考慮する」、「この日の決定は欧州中央銀行(ECB)の債券購入計画に関する欧州司法裁判所の決定とは無関係」との見解を表明した。
SNBは政策金利であるフラン建て3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の誘導目標レンジを-1.25%から-0.25%の水準に引き下げた。(政策金利は-0.75%に引き下げ)対ユーロでのスイスフランの上限撤廃によってスイスフランは全面高となっており、政策金利の引き下げに対する市場反応は限定的だったようだ。
市場参加者の間では、ECBが国債購入を開始した場合、対ユーロでのスイスフランの上限を維持することは極めて難しくなるとの見方が広がっていた。SNBが上限撤廃を行ったタイミングは予見できなきかったが、上限レートがいずれ撤廃される可能性は否定できないとの声が聞かれていた。
スイスフラン相場の急激な変動はリスク回避的な円買いを促す一因となったが、米長期金利が低下したことも円買い・米ドル売りにつながった。米国の利上げ開始時期については6月以降になるとの見方が増えており、ドル・円相場の見通しにも微妙な影響を与えているようだ。《KO》
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