注目銘柄ダイジェスト(前場):ファーストリテ、川崎重工、マツダなど

2015年1月9日 11:34

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記事提供元:フィスコ


*11:34JST 注目銘柄ダイジェスト(前場):ファーストリテ、川崎重工、マツダなど

ファーストリテ<9983>:45800円(前日比+1395円)
昨年来高値を更新。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は913億7000万円で前年同期比39.9%増となり、足元の既存店好調で800億円レベルまで切り上がっていた市場コンセンサスも、大幅に上回る状況となった。中国・韓国など海外事業の好調が想定以上となっている。全般的に苦戦が目立つ小売業界の中で、あらためて好実態がクローズアップされる状況にも。野村やメリルリンチ(ML)などは5万円レベルまで目標株価を引き上げへ。

川崎重工<7012>:560円(同+15円)
続伸。今期営業利益は前期比17%増の850億円前後になる見通しと報じられている。従来よりも増益幅は80億円程度拡大の見通し、7年ぶりに過去最高益を更新する公算と。航空宇宙事業の好調が背景、年間配当金も従来予想比で引き上げが見込まれると。好業績期待は高かったものの、810-820億円レベルの市場予想も上回る格好であり、一段と評価の高まる展開になっているようだ。

マツダ<7261>:2623円(同-112円)
大幅反落。JPモルガン(JPM)では投資判断「ニュートラル」継続で、目標株価を3000円から2850円に引き下げている。北米を中心とした販売面の下振れ、新興国通貨のマイナス影響などから、10-12月期営業利益は500億円前後に留まると予想しているもよう。現段階では通期計画に対する上振れ余地は限定的としている。市場予想は590億円前後のレベルであり、ネガティブな反応につながっているようだ。

野村HD<8604>:646.6円(同-12.8円)
株式市場が堅調な展開となる中でさえない動き。クレディ・スイス(CS)では目標株価を815円から725円に引き下げ、弱材料視される状況にもなっているようだ。リテールは順調だが、欧米の債券が不調との見方。欧米の債券市場はボラティリティが大きく、好調なアジア、堅調な日本の利益でカバーできないとしている。一方、モルガン・スタンレー(MS)では、短期的なネガティブカタリストが顕在化したあとエントリータイミングとして、目標株価を800円から850円に上げ。

ローム<6963>:7520円(同+320円)
大幅続伸。クレディ・スイスでは投資判断を新規に「アウトパフォーム」、目標株価を9700円と設定している。自動車・産機シフトが業績拡大を牽引、持続的な株価上昇を見込むとしているようだ。車載ビジネスについては、注力するボディ・パワートレイン制御、安全装置関連での量産品目の拡大を背景に、市場成長を上回る10-15%の売上拡大を予想と。

キユーピー<2809>:2193円(同-57円)
反落。前日に11月期の決算を発表、営業利益は243億円で前期比9%増益、従来計画並みの水準で着地。今期は255億円で同5%増と、連続増収増益の見通しに。実績値は想定線で今期見通しは市場予想をやや下回る水準に。ここまで株価の上昇が続いていただけに、サプライズの乏しい決算を受けて一旦は出尽くし感が先行のようだ。なお、UBSでは投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に格下げ、想定以上の償却負担から業績予想を下方修正しているようだ。

ブロッコリー<2706>:1038円(同-85円)
続落。14年3-11月期決算を発表しており、営業利益は前年同期比35.6%減の9.95億円となった。上期(3-8月)の営業減益率25.3%から悪化する形となり、嫌気した売りが優勢に。スマホ向けゲームアプリ「うた☆プリアイランド」の配信一時中断や、CD部門の発売タイトル不足などが響いた。同社は、主力ゲームの発売を2月末に予定しているため第4四半期の売上構成比が高くなるとしている。

エヌピーシー<6255>:304円(同+79円)
一時ストップ高。第1四半期(14年9-11月)決算と同時に、上期及び通期業績予想の修正を発表している。第1四半期の営業利益は前年同期比約9倍の3.94億円で着地。上期業績予想は、営業利益を従来の1.66億円から3.24億円に、純利益を0.92億円から3.81億円に引き上げた。また、通期については従来見込んでいなかった下期案件が進んでいることを理由に「未定」に変更しており、1月末までに改めて発表するとしている。

OTS<4564>:483円(同-52円)
売り優勢。扶桑薬<4538>との「OTS102」製造販売に関する契約の終了及び大塚製薬との膵臓がんを対象とした契約の終了を発表しており、弱材料視されているようだ。なお、大塚製薬は別途契約を締結している大腸がん治療用ペプチドワクチン「OCV-C02(OCV-103/104)」について引き続き開発を進めているほか、同社は今後、がん治療用ペプチドワクチンに関しては腫瘍特異的抗原ワクチンに注力して臨床開発を推進していくとしている。

テラ<2191>:1732円(同+300円)
ストップ高。同社の提供する樹状細胞ワクチン「バクセル(R)」について、局所再発胃がんに対する症例報告が、英国の腫瘍外科専門学術誌である「World Journal of Surgical Oncology」に掲載されたと発表しており、材料視されている。肺疾患のため手術ができない再発胃がん患者に対して、樹状細胞ワクチン療法の腫瘍内局所投与が著効した初めての症例としている。《KO》

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