「箱根ターンパイク」でマツダ車のイベントが増える? ネーミングライツ契約で

2014年7月24日 13:16

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記事提供元:エコノミックニュース

マツダ・アクセラが箱根ターンパイクの下り右コーナーを安定した姿勢で走る図。こうした正式なナンバープレートではない車両の撮影には、ターンパイクを貸し切って行なう必要がある。

マツダ・アクセラが箱根ターンパイクの下り右コーナーを安定した姿勢で走る図。こうした正式なナンバープレートではない車両の撮影には、ターンパイクを貸し切って行なう必要がある。[写真拡大]

 首都圏の自動車ファンを自認する人には有名な箱根ターンパイクは、神奈川県小田原市から足柄下郡箱根町を経由し、同県足柄下郡湯河原町に至る、延長15.782kmの観光有料道路(一般自動車専用道)で、箱根ターンパイク株式会社(HTPL)が保有・運営する私道だ。ターンパイク(Turnpike)とは、高速道路を含む自動車のための有料道路の意である。

 ターンパイクは、箱根小田原本線(13.782km)と箱根伊豆連絡線(1.700km)の2路線だ。が、多くの場合、小田原・早川口から大観山に至る本線を指す場合が多い。早川料金所を過ぎてしばらくはカーブも緩く、勾配も比較的穏やかだが、高度を上げるにつれて、非力なクルマには辛い10%以上の登坂路が続き、追い越し車線のある厳しい中高速コーナーが続く。この辺りではスポーティで高性能と言われる国産のマニュアルトランスミッション車でも3速全開となろう。

 これが逆の下りの場合では、スポーツカーと言われるレベルのクルマでも、ブレーキがフェード(焼けて効かなくなる現象)を起こす場合がある。そのため、エンジンブレーキの使用を促す注意書きと、緊急時に衝突して停止するための砂山(緊急避難所)があるほどだ。

 2007年3月に箱根ターンパイクと東洋ゴム工業はネーミングライツに関して合意し、「箱根ターンパイク」から「TOYO TIRES ターンパイク」に名称が変更された。道路がネーミングライツで名称変更されるのは、日本で初めてだった。ただしFM放送などの道路情報では単に「ターンパイク」と称されることが多い。

 その「箱根ターンパイク」が2014年7月22日、日本の自動車メーカーマツダがネーミングライツを取得し、2014年8月1日から「TOYO TIRES ターンパイク」から「マツダ・ターンパイク箱根」と名称が変更されることになった。

 もともと箱根ターンパイクは、東急電鉄グループの伊豆・箱根開発計画に伴って建設された自動車道だ。その計画は60年以上も前の1954年に東急電鉄が申請していた。1965年の完成後も長年にわたって東急グループの会社が保有・運営していた。しかし、長年にわたり赤字が続いたこともあり、2004年3月にオーストラリアの投資会社・マッコーリー銀行グループが主体となるインフラストラクチャー・ファンドが設立した箱根ターンパイク株式会社に11億5700万円で営業譲渡していた。

 日本でこのような交通インフラを買収し、ファンドとして組成し資産運用に供する例は初のケースだ。現在、普通車の通行料金は箱根小田原本線区間 720円、箱根伊豆連絡線区間 150円、全線では870円だ。

 箱根ターンパイクは、昔から自動車専門メディアのメッカとしても有名な道路で、有力な自動車専門紙誌や映像メディアの撮影が行なわれてきた。私道なので管轄警察への道路使用許可の取得なしに撮影が可能だからだ(もちろん所有者である箱根ターンパイクへ申請し、了解を得て使用料を支払うが)。

 また、国内外の自動車メーカーがメディア向けの新車試乗会を行なう場合、大磯プリンスホテルに本部基地を置いて、「西湘バイパスからターンパイクの往復」を推奨コースとして、今でも高速道路走行性能とワインディング走行におけるハンドリング性能を確認する絶好のコースとされている。

 これまでも、箱根ターンパイクを一般車両通行禁止としてクローズドな自動車イベントに使ってきたことがある。今後は、マツダ車の走行イベントがターンパイクで開催されることが増えそうである。手はじめは、新型デミオのディーゼル車の試乗会か?(編集担当:吉田恒)

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