東芝、インドネシア・サルーラ地熱発電所向け設備を受注

2014年7月16日 17:29

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地熱発電用蒸気タービンのイメージ(東芝の発表資料より)

地熱発電用蒸気タービンのイメージ(東芝の発表資料より)[写真拡大]

 東芝は16日、インドネシア・サルーラ地熱発電所向けに発電設備を受注したと発表した。受注した設備は、同国北スマトラ州で建設・運営されるサルーラ地熱発電プロジェクトに納入される設備で、60MW(6万kW)蒸気タービン・発電機3セット。同プロジェクトは、サルーラ地区に、インドネシア総発電設備の約1%に相当する出力合計330MW(33万kW)の地熱発電所を建設する計画であり、規模としては世界最大級となる。

 プロジェクトの開発事業者は、サルーラ・オペレーションズ社(SOL)で、SOLは、伊藤忠商事、九州電力、インドネシアのメドコ・パワーインドネシア社、米国のオーマット・インターナショナル社各社による共同出資会社である。韓国・現代建設がSOLからEPC契約(設計・調達・建設工事・試運転までの一括契約)を受注しており、今回の東芝の発電設備は、EPC契約者の現代建設に2015年7月から順次納入される予定である。運転開始は16年11月の予定である。
 
 インドネシアは、世界第2位の地熱資源国であり、資源量は約2万8000MW(2800万kW)に達する。しかし、地熱発電としての利用量は約1300MW(130万kW)に留まっている。

 インドネシア政府は、電力エネルギーの多様化・分散化の一環として、2025年までに地熱発電量を1万2000MW(1200万kW)にまで拡大する方針であり、インドネシア向け最大の援助国である日本の円借款事業を含め、現在、多数の地熱発電案件が計画されている。

 東芝は1966年に、日本国内初の松川地熱発電所(岩手県)に20MW(2万kW)の地熱蒸気タービン・発電機を納入して以来、北米、東南アジア、アイスランドなどにも納入実績を持ち、地熱発電設備では世界のトップシェア(23%)を占めている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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