米国株式市場見通し:高値更新を継続か、目先のリスクや不透明要因が見当たらず

2014年6月7日 13:36

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記事提供元:フィスコ


*13:36JST 米国株式市場見通し:高値更新を継続か、目先のリスクや不透明要因が見当たらず

5月ISM製造業景況指数が予想外の53.2へと低下したことで下落して始まった。しかしISMの季節調整の計算に誤りがあったことが明らかとなり56.0へと修正され株価も上昇に転じた(その後、更に55.4へと再度修正)。アップルの開発者向けイベント(WWDC)ではユーザー向けには概ね想定された基本ソフトのアップデートが中心だったが、新プログラミング言語「Swift」など開発者向けには大きな発表が相次いだ。その後は5月自動車販売が好感されたものの、週後半の欧州中銀(ECB)理事会や雇用統計を控えて上値も限られた。週半ばになると5月ADP雇用報告が予想を下回ったほか、4月貿易収支も予想以上に赤字が拡大したことで売られる場面もあったが、地区連銀経済報告(ベージュブック)で12地区全地域の経済が拡大したとの認識が示され緩やかに上昇。注目のECB理事会ではマイナス金利などの追加緩和を決定したことが好感され上昇。雇用統計も概ね予想に一致する内容となったことから、週末にかけても続伸する展開となった。週を通じて主要株式指数は上昇し、ダウ平均株価やS&P500指数は過去最高値を更新した。

携帯端末メーカーのアップルはWWDCを受けた新サービスや新製品への期待感から上昇。食品のヒルシャー・ブランズは買収提案を受けているピルグリムズ・プライドとタイソン・フーズと個別に交渉する方針を明らかにして買われた。半導体製造装置のアプライド・マテリアルズやスポーツ用品のアンダーアーマーはジェフリーズの投資判断引上げで上昇。オンライン小売のアマゾンは18日に新製品発表イベントを開催することを明らかにして堅調推移となった。一方で携帯通信のスプリントはTモバイルの買収合意間近との観測で下落。

先週、米国株式相場はS&P500指数とダウ平均株価が揃って過去最高値を更新し、投資家の不安心理を示すとされるS&P500変動率指数も2007年2月以来の低水準となっている。一部には高値警戒感を指摘する見方もあるが、目先のリスクや不透明要因が見当たらず、米国経済や企業業績の見通しも良好だ。出来高はやや低調だが、引き続き堅調な地合が予想される。

6日の取引終了後にアップルの株式分割が実施された。アップルの株価は分割後に約92ドルとなるが、100ドルの節目が分割前の700ドルに相当する。700ドルは2012年に付けた過去最高値の水準であり、この水準を今後数ヶ月で上回るかどうかが当面の注目点となる。但し今年株式分割を実施したマスターカードやグーグルの株価は分割後にやや低迷していることもあり、アップルの最近の株価上昇ペースが速いことも考慮すると、分割後には一旦売りが優勢となる可能性もありそうだ。

今週は10日からロサンゼルスでゲーム見本市(E3)が開催される。昨年発売されたマイクロソフトのXbox Oneとソニーのプレイステーション4の次世代ゲーム機は、4月時点でプレイステーション4が700万台以上を販売したのに対し、Xbox Oneは500万台強と報じられている。マイクロソフトがXbox Oneの販売促進に向けて値下げや新戦略を発表するかどうかが焦点となりそうだ。また先週のアップルのWWDCでは、iOS上でのゲーム開発プラットフォームが大幅に強化されることが明らかとなった。エレクトリック・アーツなどゲーム開発各社のモバイル端末への対応状況も注目されそうだ。

12日にはブラジルでサッカー・ワールドカップが開幕する。ナイキやアンダーアーマーなどスポーツ用品関連銘柄が物色される可能性があるだろう。

経済指標関連では5月小売売上高(12日)や6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(13日)の発表が予定されている。小売セクターは冬の悪天候の影響などもあって出遅れ感が目立っているが、反発のきっかけとなるか注目したい。また中国の経済指標、5月消費者物価(10日)や5月投資部固定資産投資(13日)、5月鉱工業生産(13日)などの発表も控えており、中国経済の動向を受けて資源関連銘柄や商品価格への影響も注視したい。《TN》

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