前場に注目すべき3つのポイント~ソニーの今期見通しは市場コンセンサスを下振れ

2014年5月15日 08:23

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:23JST 前場に注目すべき3つのポイント~ソニーの今期見通しは市場コンセンサスを下振れ

15日の前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:不安定な相場展開、中小型株の底堅さを見極め
■外資系証券の注文動向:差し引き280万株の売り越し
■前場の注目材料:ソニー<6758>、今期営業利益見通しは1400億円とコンセンサスを下回る

■不安定な相場展開、中小型株の底堅さを見極め

15日の東京市場は不安定な相場展開になりそうだ。14日の米国市場ではウクライナ情勢の緊迫化や、モメンタム株が売りに押されるなか、ダウ、ナスダックともに下落。シカゴ日経225先物清算値は大阪比160円安の14250円だった。この流れを受けてインデックスに絡んだ売りが先行する格好から、日経平均はギャップ・ダウンから始まることになりそうだ。

注目されるのは寄り付き前に発表される1-3月期国内総生産(GDP)となる。消費増税前の駆け込み需要が増大したことで今年1-3月期の経済成長率は大幅に上昇する見込みである。予想値は前期比1.1%増、同年率4.3%増となっている。予想を上回るようだと、追加の緩和期待が後退する格好となり、売り一巡後も押し目買いの動きが限られそうである。一方で、予想を下回るようなら、売り一巡後の底堅さが意識される可能性があるだろう。

そのほか、決算に絡んだ個別動向。ソニー<6758>はADR(米国預託証券)で7%近い下落となっている。業績面は織り込まれているが、前日にはニコン<7731>が寄り付き後から売り直される動きをみせていた。寄り付き段階でアク抜けにはなりづらく、見極めが必要であろう。

また、米国ではモメンタム株の下げが続いており、足元でようやく底入れ感が台頭してきた感のある新興市場の中小型株などの動向も注目される。ネット関連やバイオ関連などの底堅さが意識されてくるようだと、改めて見直しの流れに向かう展開がみられよう。さらに、業界再編の動きなども日々出てきており、本日は教育業界での提携等が伝えられている。また、パイオニア<6773>によるAV事業売却報道などAV機器業界の再編期待に向かわせよう。

なお、MSCIの定期入れ替えが発表されている。「標準指数」には、光通信<9435>、JDI<6740>、名鉄<9048>の3銘柄が新たに採用される。一方、石油資源<1662>、北海電力<9509>、双日<2768>、コカウエスト<2579>、日製鋼<5631>、きんでん<1944>、西日シ銀<8327>、昭電工<4004>、SUMCO<3436>、トヨタ紡織<3116>、ツムラ<4540>、宇部興<4208>の12銘柄が除外となった。

■外資系証券の注文動向:差し引き280万株の売り越し

朝の外資系証券6社経由の注文状況は、売り1480万株、買い1200万株、差し引き280万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。

5月8日(木):210万株の売り越し
5月9日(金):190万株の買い越し
5月12日(月):270万株の売り越し
5月13日(火):940万株の買い越し
5月14日(水):1250万株の売り越し

■前場の注目材料

・ソニー<6758>、今期営業利益見通しは1400億円とコンセンサスを下回る
・米国市場では小型株や成長株に売りが広がる、中小型株は需給懸念継続か
・4月工作機械受注額、前年同月比48.8%増と7ヵ月連続増加

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

08:50 1-3月期国内総生産(GDP)1次速報(前期比年率予想:+4.2%、10-12月期:+0.7%)
08:50 3月第3次産業活動指数(前月比予想:+2.2%、2月:-1.0%)
08:50 対外対内証券売買
08:50 3月マネタリーサーベイ《KO》

関連記事