電通、ブラジルの広告会社NBSを買収 W杯・五輪開催にらみ

2014年5月1日 14:36

印刷

 電通は1日、「NBS」のブランドで広告事業を展開するブラジルの総合広告会社PPR Profissionais de Publicidade Reunidos(PPR)の株式70%を取得することで合意したと発表した。FIFAワールドカップやオリンピック開催を控えるブラジルの基幹拠点とし、競争力強化を図る。今後、株式持分のシェアを拡大し、完全子会社化するオプションも持つという。

 PPRは設立が2002年。統合的な広告コミュニケーション・サービスに強みを持ち、多数の現地大手企業を顧客として抱え、2013年のメディア事業の取扱高では総合広告会社としてブラジルで14位、独立系では最大規模の広告会社となっている。資本金は319万8,000レアル(約1億5,000万円)、2013年12月期の売上総利益は1億3,400万レアル(約61億4,000万円)。

 ブラジルでは、2014年のFIFAワールドカップや2016年のリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックを控えている。電通は、今回の買収でグループの基幹となる機能を持った拠点を構築し、同国の広告・マーケティング領域での競争優位を高め、成長戦略を加速させることを狙うという。

 電通グループのメディア・コミュニケーション・エージェンシーであるCarat(カラ)が2014年3月に発表したブラジルの広告費は、2013年が前年比7.1%増の成長率で、2014年、2015年もそれぞれ10.0%増、8.1%増と高い成長が続くと予測している。

 電通グループは、ブラジルの顧客向けサービスとして、総合広告会社である電通ラテンアメリカ(電通ブラジル)を中心に、専門領域をカバーする総合デジタルエージェンシーであるLOV Interactive Communications(ラブ)や、デジタル分野のグローバル・ネットワーク・ブランドであるIsobar(アイソバー)系列のAgênciaClick Isobar、AGE IsobarやiProspect(アイプロスペクト)などを通して手掛けていた。

関連記事