トヨタの大規模リコールには戦略あり

2014年4月11日 15:10

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記事提供元:フィスコ


*15:10JST トヨタの大規模リコールには戦略あり
トヨタ自動車<7203>は9日、座席のばねやエンジンの始動装置などに不具合が見つかったとして、小型車「ヴィッツ」や「ポルテ」など13車種計108万5513台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。海外分も含めると対象車は計639万台にのぼるが、けが人は出ていないという。同社は2012年10月に過去最多の743万台をリコールしており、今回はそれに次ぐ規模。
この大規模なリコールの要因の一つとして考えられるのが部品共通化の拡大だろう。部品を共通化することで開発費などのコストを削減できるため、価格を上げずに品質の向上を図れる一方、不良があった場合にはそれが大きく広がることになる。リコール対象車種の一つである「ヴィッツ」と同じ部品を使う車種は海外生産分も含め27車種計約287万台にも及ぶ。
また、同社がリコールを「悪」ではなく安全や品質重視の姿勢をアピールできる場として、疑いがあれば躊躇せずに行うと積極的なリコール姿勢を取っていることも要因の一つとなっている。
同社は、品質関連費用として過去3年間、毎年4000億円以上を引当金として確保しており、今回のリコールによる業績への影響もないとしている。確かに安全の確保が一番であるため、対応が遅いよりは早い対応が望まれるが、あまりにもリコールの多さが目立つとユーザーの信頼を損ねかねない。また、部品共通化を拡大するからには以前にも増した品質管理をしなければ、またこのような大規模リコールにつながるだろう。
当然ながらユーザーからの信頼の回復と信用を得るためにも、大規模リコールは避けるにこしたことはない。《YU》

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