インド株価指数が過去最高値更新、「買われる新興国」の花形へ

2014年3月7日 09:36

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記事提供元:フィスコ


*09:36JST インド株価指数が過去最高値更新、「買われる新興国」の花形へ
インド株式相場では6日、主要指標となるSENSEX指数が21525.14ポイント(pt)を付け、昨年12月9日以来となる過去最高値を更新しました。

同指数は今年2月4日に19963.12ptのボトムを付けた後はリバウンド基調を強め、6日高値までの上昇率は7.8%に達します。外国為替市場ではインドルピーが安定した値動きを維持しており、昨年10月から1米ドル=60.00-64.00ルピーの狭い範囲での値動きとなっています。

新興国市場に対する投資家の不信感が強まる中でもインド金融市場が堅調な理由は「マクロ環境の改善」にあります。

インド準備銀行(中央銀行)が5日発表した国際収支統計(暫定値)によると、昨年10-12月期(第3四半期)の経常赤字は42億米ドルとなり、対国内総生産(GDP)比で0.9%まで縮小しました。これは2010年以来、4年ぶりに低い赤字水準。前年同期の赤字額は319億米ドル、対GDP比で6.5%でした。

また、チダムバラム財務相は2月の暫定予算演説で、今年度(2013年4月-2014年3月)の財政赤字が政府の通年目標を下回る見通しを示しました。財務相はそれまで、赤字の通年目標を対国内総生産(GDP)比4.8%としていましたが、演説ではこれを4.6%まで縮小。さらに来年度にはこれが4.1%まで低下すると予想しました。

さらにインド経済のアキレス腱とされていたインフレにも落ち着きの兆しが出ています。先月発表された1月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比8.79%と、前回12月の9.87%および市場予想の9.20%をともに下回る伸びとなりました。

インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁は物価抑制を金融政策の最優先課題とし、1月28日には政策金利となるレポ金利を0.25%引き上げました。この利上げについて、メディア各社の報道では「アルゼンチン通貨暴落を受けた自国通貨下落の予防措置」との見方が目立ちますが、ラジャン総裁も言っている通り、これはインフレ圧力を低減させるための措置でした。

最近、市場参加者は「新興国」をひとつのカテゴリーに括ってしまうのをやめ、新興国内でも選別投資を行うようになっています。

例えば、アルゼンチンペソの暴落は外貨準備高の減少で固定相場制を維持できなくなったことが原因。ウクライナフリブナやロシアルーブルは、ウクライナを巡るロシアの軍事的脅威の高まりなどが背後にあります。

つまり、売られている新興国通貨には売られる理由があり、インドルピーなど売られない理由のある資産は売られないという、当たり前の力学が市場で作用しているのです。

ウクライナで危機が深刻化するからといって、インドルピーを売る必要はありません。ただ、中国の成長鈍化が鮮明化すれば、影響の大きい東南アジア諸国連合(ASEAN)や韓国、台湾通貨は売り叩かれるでしょう。

一方、相対的に中国へのエクスポージャーが低いインドにとって、中国不安の高まりは代替投資先としての地位が高まる機会となります。つまり、中国がダメになったら隣のインドに資金が回るという発想です。

インドでは5月までに世界最大の総選挙が実施されます。ここで安定した政権交代が実現すれば、市場はさらに活気付くことでしょう。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》

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