【中国の視点】「影の銀行」正しく知れば怖くない、FSBと中国政府データはほぼ同水準

2014年1月29日 08:03

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記事提供元:フィスコ


*08:03JST 【中国の視点】「影の銀行」正しく知れば怖くない、FSBと中国政府データはほぼ同水準
中国の国有大手、中国工商銀行が販売した一部の理財商品(高利回り金融商品)がデフォルトリスクに陥る可能性があると報道され、中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」は再び注目されている。一方、対象理財商品のデフォルトは回避できたと発表された。

中国のシャドーバンキングの規模について、国内外の機関投資家が発表したリポートにはばらつきがみられ、統計範囲の違いによるものだと分析された。

政府系シンクタンク社会科学院が昨年10月に発表した「中国金融監管報告2013」では、2012年末時点のシャドーバンキングの規模は約14兆6000億元(約248兆円、政府データ)に上ったという結果が示された。これは同年の国内総生産(GDP)の29%に相当し、金融システム全体資産の11%を占めた。一方、市場データを基に計算すると、影の銀行の規模は20兆5000億元に上り、2012年のGDPと金融全体に占める割合は、それぞれ40%、16%になった。

この調査結果は銀行の理財業務と信託会社だけに絞って調査したもので、最も狭い範囲だと説明された。カーリース会社や消費者金融、正規銀行以外の金融機関などを含めば、規模がもっと拡大すると予測された。

社科院は、シャドーバンキングが銀行システムの固有枠を破り、国民の余剰資金を必要な所に配置してくれるため、資金の流動性を補うという役割を果していると評価。ただ、一部では、資産と負債期限の設定ミスで流動性リスクが生じていることも事実だと指摘した。今後は適切なルールの導入などを通じてシャドーバンキング・システムの透明性を高めていけば、大きなリスクは発生しないとの見方を示した。

また、金融安定理事会(FSB)は昨年11月、影の銀行の世界的な規模について、2012年末に71兆米ドル(約7278兆円)まで拡大し、前年から5兆米ドルを増加したと報告した。うち、米国は26兆米ドルと全体の37%を占めたという。ユーロ圏や英国、日本は、それぞれ22兆米ドル、9兆米ドル、4兆米ドルだった。中国は前年から42%拡大したものの、世界2位のGDPに浮上したにもかかわらず、同国のシャドーバンキング規模は世界全体の3%にとどまったと報告された。これは中国政府が報告した14兆6000億元をやや下回った。《ZN》

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