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中国の富裕層が2億元以上の利子取り逃し、終わりの見えない影の銀行不安
*09:39JST 中国の富裕層が2億元以上の利子取り逃し、終わりの見えない影の銀行不安
中国の「シャドーバンキング(影の銀行)」問題が市場の関心を集めています。きのう27日には4大国有銀行の一角である中国工商銀行の支店を通じて販売された高利回り「理財商品」のデフォルト(債務不履行)が回避されたことが話題となりました。
この信託商品は、中国の信託会社である中誠信託が開発したもの。炭鉱会社である山西振富能源集団の資金調達のために組成され、富裕層に販売されました。
これまでの経緯は以下の通りです。およそ700人の富裕層が30億元(約510億円)の資金を代理販売店である工商銀行に入金して商品を購入。その資金は中誠信託にわたり、山西振富能源集団に投資されました。
ただ、今月末の償還直前に山西振富能源集団が投資家への支払いができない可能性があると通告。工商銀行も投資家の損失に対して責任を負わない姿勢を明確にしました。
こうした中で投資家の不安が高まった矢先、“出所不明”の資金が山西振富能源集団に供給され、さらに投資家700人が保有する信託商品の権利が額面で買い取られることになりました。なお、この出所不明の資金額については明らかになっていません。
信託商品を購入した投資家の損失は何とか免れましたが、利子の回収はできていません。この商品が約束した利回りは年間10%ですが、3年満期の最終年に支払われた利子は3%のみ。購入者が受け取れなかった利子の総額は2億元以上に上ると試算されています。
ただ、中国の信託商品でこうした機会損失が発生するのは今回が初めてではなく、UBSの試算では2012年以降、20以上のファンド商品が238億元の損失をもたらしたとされています。
心配なのは、膨らみすぎた中国の信用市場の中で、今回の事件が氷山の一角に過ぎないこと。経済生産に対する民間与信の増加を示す「クレジット・ギャップ」は中国で急速に膨らんでおり、2008年以降で71ポイントに到達しました。負債総額は国内総生産(GDP)の約230%に達しており、今後も中誠信託のようなケースが相次ぐことが想定されます。
(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》
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