注目銘柄ダイジェスト(前場):パナソニック、ヤマダ電機、アルプス電気など

2014年1月21日 11:34

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記事提供元:フィスコ


*11:34JST 注目銘柄ダイジェスト(前場):パナソニック、ヤマダ電機、アルプス電気など

パナソニック<6752>:1301円(前日比-15円)
売り先行。シティでは投資判断を「1」から「3」に一気に2段階格下げ、目標株価は1170円としている。構造改革効果は株価に織り込み済み、足元での急ピッチな株価上昇に対して、今後はいったん下落の可能性があると判断しているようだ。構造改革からグロースへのフェイズチェンジは、スムーズには進まないと考えられるほか、利益改善の速度は今後低下していくと指摘へ。

ヤマダ電機<9831>:373円(同-9円)
続落。本日は複数で投資判断の格下げが観測されている。JPモルガン(JPM)では「ニュートラル」から「アンダーウェイト」に、UBSでは「バイ」から「ニュートラル」に格下げしている。JPMでは、下期の粗利益率改善を前提としても業績は下振れと予想、消費増税前の駆け込み需要の反動で、4月以降の販売鈍化懸念も上昇としている。目標株価は280円に設定、機関投資家の投資対象としては難しいと指摘。

アルプス電気<6770>:1293円(同+92円)
急反発。ゴールドマン・サックス(GS)では投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、コンビクション・リストに新規採用としている。目標株価も970円から1430円に引き上げへ。今年は中国スマホの高画素カメラ採用が想定以上とみているほか、円安効果を含めて車載事業の拡大や収益改善が進むとみられることなどを評価引き上げの背景としている。なお、GSでは、ヒロセ電機<6806>や新光電工<6967>を「売り」から「中立」に格上げ、日本ケミコン<6997>は「中立」から「売り」に格下げしている。

津田駒工業<6217>:201円(同+7円)
大幅に5日続伸。同社は前日に前11月期の決算を発表、今期の収益回復見通しが好感される格好となっている。前期営業損益は5.1億円の赤字、昨年末に下方修正した水準での着地となった。一方で今期は9億円の黒字転換見通しとなっている。繊維機械、工作機械ともに拡大を見込み、今期見通しは四季報予想などを上回る水準ともなっている。なお、前期受注高は456億円で前期比6割の増加に。

滝澤鉄工所<6121>:211円(同+44円)
急伸で上昇率トップ。ロシアのKEMP社と業務提携を発表、期待材料視される状況になっている。今後の成長が期待されるロシア市場においての販売拡大期待が高まる格好に。また、足元では工作機械受注の回復傾向が鮮明化してきており、関連銘柄として短期資金の関心などは高まりやすくなっているようだ。

三洋化成<4471>:795円(同+60円)
急反発。クレディ・スイス(CS)では投資判断を新規に「アウトパフォーム」、目標株価を1010円としている。同社は世界で唯一、高吸水性樹脂(SAP)の2製法を手掛けており、吸収量が多いSAPと吸水速度が速いSAPの両方の製品提供が可能となっている。こうした技術的な強みを背景に、グローバルで中期的な紙おむつ需要拡大の恩恵を受けると判断しているもようだ。

ANA<9202>:224円(同-7円)
さえない。メリルリンチ(ML)では投資判断を「買い」から「アンダーパフォーム」に格下げ、目標株価も230円から200円に引き下げている。強みとなっているコスト抑制の遅れ、好調だった国際線の単価下落リスク、円安に伴う中期的な燃油費の増加リスクなどを格下げの背景としている。来期営業利益予想を797億円に下方修正、900億円超の市場コンセンサスを下振れるとみているもよう。

ハーモニック<6324>:2477円(同+56円)
買い先行。JPモルガンが投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエイト」へ、目標株価を1850円から2850円へとそれぞれ引き上げたことが材料視されている。主力顧客である産業用ロボット向け減速機が増加しており、緩やかではあるが事業環境は好転していると判断。同社が展開する精密減速機は10kg以下可搬の産業用ロボットや手首部分などで高い市場シェアを持ち、今後の市場拡大に注目したいとコメントしている。

オンコリスバイ<4588>:3130円(同+60円)
買い優勢。金沢大学との共同研究「改良型組換えアデノウイルスを用いた簡便な子宮頸癌早期診断システムの開発」が、科学技術振興機構(JST)の「A-STEPシーズ顕在化タイプ」に採択されたと発表したことが材料視されている。A-STEPは、社会経済や科学技術の発展などに寄与するため、大学や公的研究機関の優れた研究成果の実用化を通じた、イノベーションの効率的・効果的創出を目的とした技術移転事業と。

メディアドゥ<3678>:15490円(同+1010円)
大幅続伸。2月28日を基準日として、1:2の株式分割を実施すると発表したことが材料視されている。最低投資金額の引き下げに伴う、流動性の向上や投資家層の拡大期待が高まる状況に。なお、本日は同社の強い動きが刺激材料となり、シグマクシス<6088>やホットリンク<3680>など、昨年末上場銘柄の上昇も目立っている。

Dガレージ<4819>:2993円(同+50円)
3日続伸。上期の営業損益見通しを3.0億円の赤字から7.5億円の黒字へと大幅に上方修正したことが好感されている。投資先のメディアドゥ<3678>が新規上場し、保有株の売却などが進んだことが売上高の押し上げ要因に。通期の業績計画は据え置かれたものの、IPO市場の活況を追い風とした足元の堅調な業績推移がポジティブ材料視されている。《KO》

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