【中国の視点】インドネシアの原鉱輸出禁止、短期的には中国への影響は軽微

2014年1月14日 08:09

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記事提供元:フィスコ


*08:09JST 【中国の視点】インドネシアの原鉱輸出禁止、短期的には中国への影響は軽微
インドネシア政府は12日、アルミとニッケル原鉱の輸出を即日から禁止すると発表した。一方、銅やマンガン、鉄、鉛、亜鉛の鉱石の輸出禁止は2017年まで延期された。雇用拡大や鉱石採掘業の加工・精錬など川下産業の発展を促進する目的で、インドネシア国会は2009年に「鉱物石炭法」を可決し、2014年1月12日から鉱石輸出を全面禁止する計画だった。

ただ、同国におけるインフラ整備の遅れなどを受け、鉱石精錬所の整備などに伴うコストの増加が利益を圧迫するため、業界からの反発が強かった。これに加え、インドネシアにおける財政赤字の拡大や昨年の通貨ルピアの急落を受け、資源大手らが同国から撤退すれば、財政収入の急減が避けられないと指摘された。こうした状況を受け、政府は11日夜、66社の企業に対してアルミとニッケルを除いた原鉱の輸出禁止を2017年まで延長した。

アルミやニッケルの原鉱の5割以上がインドネシアから輸入している中国にとって今回の措置が大きな打撃になると予測されていた。ただ、中国政府は数年前からすでに準備に入っており、向こう1年間のアルミとニッケル原鉱の使用量を確保していた。また、中国の資源大手数社は数年前からインドネシアで原鉱精錬拠点の整備などの準備に入っており、目先では今回の措置による悪影響が限定的だと指摘された。

とはいえ、インドネシア政府による政策の変更も考えられるため、政策リスクを引き続き警戒する必要があると警告された。さらに、中国など資源輸入大国が年末までにインドネシアでの精練事業を始動しなければ、年末からアルミやニッケルなどの国際相場に影響し始める可能性があると警戒されている。《ZN》

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