新興市場見通し:一部銘柄には過熱感も意識され、利食い売り優勢の展開に

2014年1月11日 19:53

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記事提供元:フィスコ


*19:53JST 新興市場見通し:一部銘柄には過熱感も意識され、利食い売り優勢の展開に
年末年始の新興市場は上昇。新春相場への期待感から大納会は大幅高の展開となり、年明け以降も、日経平均の上値が重くなる中で、中小型株の根強い物色意欲が支援材料となり、順調な動きが続く格好となっている。証券優遇税制廃止に伴う換金売りの一巡、IPO休止期間入りなど好需給が上値追いの背景に。とりわけ、日経ジャスダック平均は先週末まで9連騰となっている。なお、年末年始6営業日での騰落率は、日経平均が1.6%の下落であったのに対して、マザーズ指数は4.5%、日経ジャスダック平均は5.2%の上昇だった。

個別では、マイクロニクス<6871>が乱高下を交えながらも大幅高、引き続き、量子技術に基づく二次電池への期待感をはやす展開に。ファンコミ<2461>はマッコーリーの新規買い推奨が材料視される。エヌピーシー<6255>は第1四半期の営業黒字決算が評価される。ドリコム<3793>、コロプラ<3668>、クルーズ<2138>などのゲーム関連もしっかり。年末年始には直近IPO銘柄への関心も高まったが、全般的に先週末にかけては処分売りが優勢となる。シグマクシス<6088>は大幅高となった一方、アーキテクツ<6085>、ホットリンク<3680>、ヒューマン・メタボローム<6090>などはマイナスサイドに。ミクシィ<2121>は「モンスターストライク」への期待感から買い先行も、信用取引規制の強化で手仕舞い売りに押される。ターボリナックス<3777>、BBタワー<3776>、システム ディ<3804>などは過熱警戒感からの利食い売りが優勢に。

米国雇用統計は予想外の大幅な下振れとなり、週末には為替市場で円高が進行している。主力株が手掛けにくい中で、円高抵抗力の強い新興市場銘柄への関心が一段と高まる可能性も残るが、一部の銘柄には過熱警戒感も強まっており、全般的な利食い売り優勢の展開につながっていく公算が大きい。日経ジャスダック平均は先週末まで9連騰が続いているほか、マザーズ指数も12月10日の戻り高値水準、並びに、1000ptの大台が接近しており、利食い売り圧力が強まりやすいと考える。また、短期資金の物色も、決算発表の接近で業績修正銘柄などが増加してくることから、中小型株の値幅取り狙いに集中していた資金の分散が想定される状況だろう。

個別では、マイクロニクスの動向が注目される。いちよし証券が先週末に投資判断を「B」から「C」に格下げ、フェアバリューは750円を継続としている。足元では神経質な展開が目立ち始めていたほか、先のミクシィ急落の連想も強まる可能性があり、波乱の展開となる可能性が高いだろう。他のマイクロニクス関連銘柄なども連れ安する公算が大きいほか、足元まで人気化した新興市場銘柄全般に、株価水準の割高感に対する意識が強まっていく可能性もあろう。逆に、低PER、高配当利回り銘柄などへ関心を向かわせるきっかけになる余地も。

先週末には、竹内製作所<6432>、いちごグループ<2337>、ローツェ<6323>などが好決算を発表、関連銘柄などへのポジティブな影響も期待されるところ。また、今週は14日にウエストHD<1407>が決算発表予定、太陽光エネ関連の動向を左右しよう。米国ではインテルの決算が予定されており、半導体関連の注目度を高めるか。さらに、北米国際自動車ショーが開催されることで、自動車部品関連銘柄にも注目しておきたい。《FA》

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