中国で高まる短期金利市場の混乱、クリスマスの波乱要因にも

2013年12月24日 09:16

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記事提供元:フィスコ


*09:16JST 中国で高まる短期金利市場の混乱、クリスマスの波乱要因にも
米国では来年1月から量的金融緩和の縮小開始が決定され、さらに予算法案も上下両院を通過するなど、ひとまず不安要因が相次いで取り除かれました。ただ、中国では金融システム不安が台頭しており、投資家は安らかなクリスマスを過ごせそうにありません。

きのう23日の中国短期金融市場では上海銀行間取引金利(SHIBOR)1週間物が一時8.843%まで上昇。これは6月20日に付けた最高水準11.004%に迫る勢いです。また、7日物レポ金利は23日に一時8.94%まで上昇し、前週末20日の8.21%から一段と上伸しました。

中国人民銀行(中央銀行)は20日夕、短期流動性オペ(SLO)を通じ、3日間で3000億元(約5兆円)超を市場に供給したと発表しましたが、翌23日も市場に落ち着きが戻らなかった格好です。

銀行間市場で資金が逼迫(ひっぱく)している背景として、企業が資金需要を高めやすい年末年始要因が挙げられます。ただ、これは毎年起こる季節要因で、これ以外にも今回の混乱を呼び起こした原因があります。

ひとつは習近平政権による財政引き締め政策。中国では年末に予算消化のため政府支出が急速に増加する傾向がありますが、今年は政府から流れてくる資金が滞っているようです。政府支出は銀行を通じて貸し出しに回されるため、循環的に政府支出が増えると銀行間市場での資金は潤沢になるシステムになっています。

中国で「財政預金」と呼ばれる人民銀行での口座残高は11月末時点で4兆5000億元に上っており、これを流出させないことで実質的な引き締め効果をもたらしています。

このほか、膨張する債務を解消したいとの人民銀行の思惑も流動性逼迫につながっています。中国の負債総額は対国内総生産(GDP)比で5年前の130%から現在は200%に膨らんだとの試算があります。このため、人民銀行は銀行の安易な融資をできるだけ回避したく、危機的状況に陥った金融機関に対して直接資金を注入するという手段を取っているようです。20日に発表された3日間で3000億元の資金供給もこの方式で実行されたようで、市場では透明性に欠けるとの批判も高まっています。

なお、きょう24日午前には定例の公開市場操作(オペ)で人民銀行が資金を市場に供給する予定です。市場ではオペが実施されるかに注目が集まっており、ここでオペが回避されれば人民銀行の引き締め姿勢が市場に誤ったメッセージを送り、短期金利がさらに上昇する可能性も否定できません。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》

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