今日の為替市場ポイント:“望ましい”豪ドル相場の水準

2013年12月13日 08:36

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記事提供元:フィスコ


*08:36JST 今日の為替市場ポイント:“望ましい”豪ドル相場の水準

昨日12日のドル・円相場は、東京市場では102円47銭から102円86銭で推移。欧米市場では一時103円44銭まで上昇し、103円37銭で取引を終えた。

本日13日のドル・円は103円台で推移か。米量的緩和策の年内縮小への期待は高まっており、ドル・円はアジア市場で年初来高値(103円74銭)を上回る可能性がある。

12日の欧米市場では豪ドル売りが活発となった。豪準備銀行(RBA/中央銀行)のスティーブンス総裁は豪紙との会見で、「豪ドルは0.85ドルに近い水準が望ましい」との見解を示したことが豪ドル売りを誘った。スティーブンス総裁は豪ドル高についてこれまで何度も懸念を表明していたが、豪ドルの具体的な水準について言及したことで市場は反応したようだ。

スティーブンス総裁は、望ましい豪ドル相場の水準について言及したことについて、市場参加者の間では、豪ドル高是正で豪産業界からの強い圧力に抗いきれなくなっているのではないか、との憶測が流れている。業界ロビイストと評されたヘザー・リダウト氏は2012年2月に豪準備銀行のボードメンバーに就任しており、就任当時からリダウト氏は通貨高是正で産業界の強い意向を受けているのではないかとみられていた。リダウト氏が総裁に何らかの働きかけをしているのかもしれない。

日銀が量的・質的金融緩和策の導入を決めた今年4月、豪ドルのTWI(貿易加重指数)は一時的に80を上回った。現在では69近辺まで下落しているが、歴史的に見れば、まだ高い水準にあることに変わりない。短期的には主要通貨に対する豪ドル売りが継続することになりそうだ。《KO》

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