【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ソフトクリエイトホールディングスは調整一巡して再動意のタイミング接近、ネット通販市場拡大が追い風

2013年12月5日 09:22

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  ECサイト構築のソフトクリエイトホールディングス <3371> の株価は急騰の反動調整局面だが、調整一巡して再動意のタイミングが接近しているようだ。ネット通販市場の拡大が追い風であり、中期成長期待に変化はないだろう。

  ECソリューション事業(ECサイト構築ソフト「ecbeing」販売、ECサイト運用、ECプロモーションサービスなど)を主力として、SI事業(自社グループ開発ソフト「X-point」「AgileWorks」「Assetment」「L2Blocker」の販売や基幹系システムの受託開発など)、物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。

  顧客のEC事業立ち上げ時の戦略コンサルティングから、ECサイト構築・運用支援・プロモーションサービスまで総合的なサービスを提供していることが強みだ。ECサイト構築実績は前期までの累計で国内断トツ首位の750社超に達し、今期(14年3月期)は800社超まで増加する見込みだ。ECサイト構築実績の積み上げに伴ってストック型売上も拡大基調だ。今後はECサイト構築・運用支援に加えて、Webプロモーション(ネット広告)分野の強化などデジタルマーケティング市場へ積極展開する方針だ。

  アライアンス戦略も強化している。13年5月には日本ユニシス <8056> と資本・業務提携した。また13年9月には東芝テック <6588> と業務提携し、13年10月には子会社エイトレッドがサイボウズ <4776> のクラウド型サービスウェアとの連携サービスを開始した。

  今期連結業績見通しについては売上高が前期比12.5%増の113億円、営業利益が同24.2%増の13億59百万円、経常利益が同10.1%増の13億80百万円、純利益が同10.0%増の7億10百万円としている。機能を一段と向上させた「ecbeingプラスワンシリーズ」が好調であり、ECサイト構築・運用支援の新規顧客開拓が進み、Webプロモーション分野の拡大も寄与して、主力のECソリューション事業が順調に推移する。増収効果でコスト面での開発費、広告宣伝費、人件費などの先行投資負担、そしてデータセンター移転費用の特別損失計上を吸収する。

  第2四半期累計(4月~9月)の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が45.1%、経常利益が45.9%、純利益が41.0%だが、第2四半期累計の営業利益と経常利益は期初計画を上回る増益であり、第4四半期(1月~3月)の構成比が高いことも考慮すれば、通期でも好業績が期待される。中期的に見ても、ネット通販市場の拡大を背景としてECサイト構築・運用支援・プロモーションの需要は拡大基調であり、市場シェア1位の優位性や高付加価値サービスの投入などで収益拡大基調だろう。

  9月25日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限37万5000株、取得価額総額の上限3億円、取得期間13年9月26日~14年3月31日)については、11月30日までの累計で取得株式総数6万4200株、取得価額総額5283万7000円となった。

  株価の動き(7月1日付で株式3分割)を見ると、10月上旬の700円台前半の水準から動意付いて5月高値を一気に突破し、10月21日には年初来高値となる1017円まで上伸した。その後は急騰の反動調整局面となり11月28日には852円まで調整する場面があった。ただし足元では880円近辺まで戻して調整一巡感を強めている。

  12月4日の終値872円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円29銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS401円55銭で算出)は2.2倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面だが、週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近して下げ渋り感を強めている。調整が一巡して再動意のタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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