米国株式市場見通し:大きな懸念材料はなし、小売決算とFOMC議事録に注目

2013年11月16日 21:00

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記事提供元:フィスコ


*21:00JST 米国株式市場見通し:大きな懸念材料はなし、小売決算とFOMC議事録に注目

11日はベテランズデー(退役軍人の日)の祝日で債券市場が休場となったこともあって小動きの中、前週末に発表された中国の10月鉱工業生産や小売売上高が予想を上回ったことが好感された。その後はロックハート・アトランタ連銀総裁が12月のFOMC(連邦公開市場委員会)で量的緩和縮小を決定する可能性は十分にあると発言する一方で、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁が早期縮小は経済の足かせになりかねず、失業率目標を5.5%に引き下げるべきと述べるなど、連銀関係者の相反する見方を受けた金融政策の不透明感が嫌気され、上値の重い展開となった。週半ばになると14日のイエレン次期FRB議長の公聴会の内容を見極めたいとの思惑から売られる場面もあったが、好調な小売企業決算を受けて年末商戦への期待感から上昇。注目のイエレン次期FRB議長の公聴会では、経済回復を十分に確認できるまで量的緩和を継続する意向を示唆したほか、現在の株価についてバブルの水準ではないとの認識を示したことが好感され、株式相場も堅調推移となった。週末にかけても緩和的な金融政策への期待感から上昇し、S&P500指数やダウ平均は過去最高値を更新した。結局、週を通じて主要株式指数は上昇。

深海油田開発のトランスオーシャンはアクティビスト投資家のカール・アイカーン氏の提案を受け入れ、特別配当や取締役員数の削減などを実施する方針を明らかにして上昇。運輸のフェデックスは複数の著名ヘッジファンドが同社株を取得したことが明らかとなり上昇。百貨店のメーシーズは売上及び利益とも予想を上回る決算を発表して堅調推移となった。一方でネットワーク機器のシスコシステムズは決算で売上が予想を下回ったほか、慎重な業績見通しを示したことで急落となった。小売のコールズも減益となる決算を発表して軟調推移となった。

先週に続きアパレル小売のアーバン・アウトフィッターズ(18日)、ギャップ(21日)、アバクロンビー&フィッチ(21日)、ホームセンターのホームデポ(19日)、ロウズ(20日)、百貨店のJCペニー(20日)、そしてディスカウントストアのターゲット(21日)、ダラーツリー(21日)など小売各社の決算が多数予定されている。先週はメーシーズが好決算を発表し、年末商戦にも強気の見方を示した一方で、ノードストロームやウォルマートの決算は下振れする内容であった。米国では今月下旬の感謝祭前後から年末商戦が本格化するが、年初からの大幅な株価上昇による資産効果もあって、高額商品や高級品の売上が伸びることが期待されている。小売各社の決算では、8−10月期の足元の業績以上に年末商戦の見通しに注目が集まることになるだろう。小売以外では、企業向けソフトウェアのセールスフォース・ドットコム(18日)や農業機械のディア(20日)などの決算発表が予定されている。

経済指標関連では、11月住宅市場指数(18日)、10月小売売上高(20日)、10月中古住宅販売(20日)などの発表が予定されている。また20日には10月29~30日に開催されたFOMC議事録が公開される。イエレン次期FRB議長が先週の公聴会で当面は緩和的な金融政策を維持する意向を明確に示したため、早期の量的緩和縮小懸念は大きく後退している。失業率目標の引き下げなど、より積極的な金融政策に関する議論があったかどうかが注目されるだろう。

株式相場は過去最高値圏にあるが、イエレン次期FRB議長の公聴会で金融政策の見通しが改善したことで、大きな懸念材料は見当たらない。年末商戦で力強い個人消費が確認できれば、年末にかけて一段高となる展開も期待できそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)《TN》

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