NYの視点:米QE縮小は来年3月付近か

2013年10月23日 07:02

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記事提供元:フィスコ


*07:02JST NYの視点:米QE縮小は来年3月付近か

政府機関閉鎖のために発表が延期されていた米9月雇用統計が発表された。米国の9月非農業部門雇用者数は前月比14.8万人増と、市場予想の18万人増を下回った。また、7月分は10.4万人増から8.9万人増に1.5万人下方修正された。ただ、8月分は16.9万人増から19.3万人増に2.4万人上方修正され、2カ月分では9000人の上方修正となった。失業率は7.2%へ予想外に低下し、2008年11月以来の低水準となった。民間部門の雇用者数は前月比12.6万件増と、市場予想の18万人増を下回り8月の16.1万人増から伸びが鈍化。

雇用の増加が目立った職種の輸送・倉庫、政府、小売、パートタイムを合わせると8.6万人の増加で、14.8万人の58%を占める。そのほか、金融セクターは2000人減、製造は2000人増、情報は4000件増、プロフェッショナルビジネスは1.2万人増。

輸送・倉庫の雇用:+2.3万人
政府:+2.2万人
小売:+2.1万人
臨時雇用:+2.0万人

金融セクター:−2000人減
製造:+2000人
情報:+4000件
プロフェッショナルビジネス:+1.2万人

9月に増加した雇用の3分の2がトラックドライバー、小売店の販売員、パートタイムといったアルバイト的な仕事が占める。また、2013年度の雇用の平均は17.77万人と、米連邦準備制度理事会(FRB)が目指している持続的な各月20万人の雇用に達していない。ムーディーズのエコノミストはFRBが目指している各月20万人の雇用達成には「今後3年かかる」と悲観的な見方を示している。

9月の雇用統計は米国政府機関閉鎖前の雇用状況がすでに失速していたことを明らかにした。米有力債券ファンド運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)の最高投資責任者(CIO)であるビル・グロス氏は「FRBは当面QEを縮小しないだろう」との見解で、10年債利回りは現在の水準2.5%が適正だとした。9月の弱い雇用統計はQE縮小開始が2014年3月近辺に先送りされるとの見通しをより強めた。

■QE縮小時期、各社予想

*キャピタルエコノミックス:2014年の初旬
*パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ):当面QE縮小なし
*ゴールドマンサックス:2014年の3月、12月開始も除外せず、
*ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS):2014年3月前の開始なし
「雇用統計は政府機関閉鎖前の雇用が弱かったことが確認された」
「政府当局は政府機関閉鎖が経済に与える影響、1月の予算案期限前後に再び混乱がおこるリスクを見極める必要」

*HSBC:12月の開始の確率は依然50%。
「失業率の低下はFRBの政策の市場伝達方法の課題となる」

*バークレイズ:2014年3月
*ノムラ:2014年1-3月期
「政府機関閉鎖を受けた雇用への影響を判断するため10月雇用統計を見極める必要」

*クレジットアグリコール:2014年3月前
*TDセキュリティーズ:2014年第1-3月期、3月濃厚

米9月雇用統計を受けて、当初の年内の縮小開始を予想していたバークレイズ銀のエコノミストは見通しを2014年3月に先送りした。マクロエコノミクスのチーフエコノミストは9月雇用統計は全般的に弱く、もし、FRBが12月会合でQE縮小に動いたら驚きで3月の縮小も危ういと見ている。11月分が30万件以上の増加を示さない限り、FRBによる量的緩和第3弾(QE3)の縮小は2014年の初旬までないとキャピタルエコノミックスのエコノミストは見ている。

ゴールドマンサックスは依然、年内の量的緩和第3弾(QE3)縮小の可能性を除外していないが、9月雇用統計の結果でQE縮小の開始が2014年にくい込む可能性が強まったとの見解を示した。財政などの不透明感が強く、2014年の3月が最も可能性が強いと見ている。ただ、財政の混乱に関しては今回ほど最悪の結果にはならないと楽観的だ。

フランスのクレジットアグリコールのエコノミストは失業率の低下や経済の成長ペース加速する可能性を指摘し、FRBが2014年の3月までQE縮小の開始を遅らせる可能性は少ないと見ている。連邦政府や州政府の雇用が再開したことは明るいニュースで民間企業の雇用の伸びにつながるとの指摘もある。政府機関の閉鎖による影響は9月雇用統計には含まれていない。しかし、10月雇用統計はこの影響を受けてさらに弱い結果が見込まれる。《KO》

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