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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エスプールは急反発、調整一巡、好業績で上値追いへ
人材サービスのエスプール <2471> (JQS)の24日株価は、3日ぶりに急反発となっている。ネット通販市場拡大も追い風に今期(13年11月期)好業績見通しである。放射性物質除染や人材派遣規制緩和などの材料性もあり、調整一巡して再動意の可能性があるだろう。
アウトソーシング関連のビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、キャンペーンアウトソーシング、障がい者雇用支援サービスなど)、人材派遣関連の人材ソリューション事業(販売・営業支援、オフィスサポート、試験運営サポートなど)、および13年4月に開始したマーチャンダイジングサービス事業を展開している。
ロジスティクスアウトソーシングはネット通販市場の拡大が追い風であり、ECサイト「楽天市場」出店企業などの物流センター運営・発送代行で新規顧客獲得を推進している。障がい者雇用支援サービスは、障害者雇用促進法に基づいて大企業の障がい者雇用をサポートするもので、企業向け賃貸農園「わーくはぴねす農園」の栽培設備販売収入と農園運営管理収入が収益柱である。参入障壁が高く競合企業が不在のため、高付加価値サービスとして千葉県を中心に事業を拡大する方針だ。
放射性物質の除染業務については、ジャパンベストレスキューシステム<2453>の子会社で、新種微細藻類による水処理設備で放射性物質の道路除染を手掛けるバイノスから、福島県郡山市で道路除染業務を受託している。業務の元請け会社は大林組<1802>である。 ■中期経営計画で売上100億円、営業利益率5.0%へ
中期経営計画ではネット通販など高成長分野への集中展開、専門性の深化と効率性の追求などを掲げて、人材派遣事業の拠点拡充、ロジスティクス関連や障がい者雇用関連の高付加価値サービス拡大を積極推進している。経営数値としては16年11月期売上高100億円、売上高営業利益率5.0%を目指すとともに、M&A戦略や新規事業・海外事業展開を可能にする経営基盤の確立を図る方針だ。
今期(13年11月期)連結業績見通しは売上高が前期比6.5%増の52億62百万円、営業利益が同65.8%増の80百万円、経常利益が同2.2倍の66百万円、純利益が50百万円(前期は30百万円の赤字)としている。ロジスティクスアウトソーシングや障がい者雇用支援サービスが牽引し、増収効果や高付加価値サービス拡大効果などで営業損益が大幅に改善する。
通期見通しに対する第2四半期累計(12年12月~13年5月)の進捗率は売上高が49.4%、営業利益が73.8%、経常利益が78.8%、純利益が88.0%と高水準だったが、通期の見通しを据え置いている。茨城県つくば市のロジスティクス発送代行サービス第2センターの開設が下期にズレ込んだため、第3四半期(6月~8月)に第2センター開設に伴う費用を計上する。障がい者雇用支援サービスの設備新増設に向けた費用も、第3四半期に先行発生するようだ。
ただし、ロジスティクスアウトソーシングの事業規模拡大や生産性向上、好採算の障がい者雇用支援サービスの事業規模拡大などで、通期の好業績が期待される。なお10月4日に第3四半期累計(12年12月~13年8月)業績の発表を予定している。
株価の動きを見ると、概ね400円近辺でモミ合う展開だったが、障がい者雇用支援サービスや福島県での除染関連を材料視して急騰した。9月11日には2197円を付ける場面があった。その後は過熱感を強めて9月20日には1223円まで急反落している。9月20日の終値1223円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円47銭で算出)は63倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS55円18銭で算出)は22倍近辺である。
依然として過熱感を残しているが、日足チャートで見ると25日移動平均線が接近してきた。9月20日終値は9月11日高値から974円下落した形だが、8月23日終値400円から9月11日高値までの上昇幅1797円に対してほぼ半値押しの水準まで調整した形である。24日は300円高の1523円と急反発している(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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