【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ラクーンの週足チャート好転、二番底形成

2013年9月24日 09:29

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  電子商取引(EC)サイト「スーパーデリバリー」を運営するラクーン <3031> (東マ)の株価が出直り感を強めている。EC市場拡大が追い風であり、好業績を見直す動きだろう。

  アパレル・雑貨分野の企業間電子商取引サイト「スーパーデリバリー」を運営するEC事業を主力として、締め支払い決済サービスの「Paid」サービス、売掛債権保証事業など周辺分野に事業領域を広げている。主力の「スーパーデリバリー」は質の高い会員小売店と出展企業を獲得したうえで、利便性の高いサービス提供などによって客単価や稼働率の向上に取り組んでいる。

  今期(14年4月期)第1四半期(5月~7月)の連結業績は、前年同期比3.5%増収、同14.9%営業増益、同16.6%経常増益、同9.9%最終減益だった。主力のEC事業は減価償却費の増加などで減益だったが、売上高は同2.4%増と堅調に推移した。売掛債権保証事業は営業強化などの効果で大幅増収増益だった。純利益は税負担正常化で減益だった。

■7月末で会員小売店数3万7570店舗

  13年7月末時点の「スーパーデリバリー」会員小売店数は3万7570店舗(13年4月末比1030店舗増加)で、出展企業数は952社(同9社減少)、商材掲載数は38万3771点(同1万4052点増加)となった。

  通期の見通しは前回予想を据え置いて、レンジ予想で売上高が103億円~106億円(前期比5.2%増~8.3%増)、営業利益が2億20百万円~2億30百万円(同21.5%増~27.1%増)、経常利益が2億10百万円~2億20百万円(同19.3%増~25.0%増)、純利益が1億25百万円~1億35百万円(同6.0%減~1.5%増)としている。純利益は税負担正常化で横ばい見込みだ。

  株価の動き(5月1日付で1株を300株に株式分割)を見ると、9月9日に329円まで調整する場面があったが、6月27日の安値320円水準まで下押すことなく、足元では水準を切り上げる動きとなった。330円~350円近辺で下値固めが完了したようだ。9月20日には395円まで上伸して出直り感を強めている。好業績を見直す動きだろう。

  9月20日の終値394円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社レンジ予想の連結EPSの中間値23円86銭で算出)は16~17倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS246円54銭で算出)は1.6倍近辺である。

  日足チャートで見ると25日移動平均線に続いて75日移動平均線も一気に突破した。また週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線を突破した。下値固めが完了して強基調に転換した可能性があり、出直り展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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