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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ゼリア新薬工業は8月高値後の調整が良好、再動意の構え
中堅医薬品メーカーのゼリア新薬工業 <4559> の株価は8月高値後の上げ一服局面だが、今期(14年3月期)好業績見通しを評価して上値余地があるだろう。
消化器分野が中心の医療用医薬品事業と、一般用医薬品などのコンシューマーヘルスケア事業を展開している。医療用医薬品事業では潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」や機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」など、コンシューマーヘルスケア事業では「コンドロイチン群」「ヘパリーゼ群」植物性便秘薬「ウィズワン群」などを主力としている。
8月19日にスイスのビフォーファーマ社と鉄欠乏症治療剤「Ferinject」の日本国内における独占的開発・販売契約の締結を発表し、8月22日にはデンマークの連結子会社ZPD社の株式追加取得による完全子会社化を発表している。
■今期は営業利益32.3%増益
今期(14年3月期)連結業績見通しは8月7日に利益を増額修正して、売上高が前期比13.5%増の605億円、営業利益が同32.3%増の61億円、経常利益が同30.4%増の61億円、純利益が同10.5%増の44億円としている。医療用医薬品事業では「アサコール」の好調が続き、6月発売の「アコファイド」も寄与する。コンシューマーヘルスケア事業では「コンドロイチン群」「ヘパリーゼ群」に加えて「ウィズワン群」も寄与する。
大幅増収増益だった第1四半期(4月~6月)の通期見通しに対する進捗率は、売上高が25.4%、営業利益が46.8%、経常利益が50.5%、純利益が55.3%と高水準だった。通期再増額の可能性が高いだろう。
8月7日に株式分割と単元株式数の変更を発表している。9月30日を基準日(効力発生日は10月1日)として1株を1.1株に分割し、単元株式数を1000株から100株に変更する。3月期末配当は従来予想の14円で修正していないため、株式分割前で換算すると年間29円40銭(前期比2円40銭増配)で、従来予想の年間28円から実質的に増額修正となった。
株価の動きを見ると、8月中旬に動意付いて1600円近辺の水準から8月30日の年初来高値2458円まで急伸した。その後は上げ一服の形となって9月9日に2018円まで調整する場面があったが、足元では2200円台に戻して再動意の構えを見せている。今期業績見通しと配当の増額修正、さらに9月末の株式分割などを好感する動きが続いている。
9月20日の終値2270円を指標面(株式分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS106円44銭で算出)は21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS888円41銭で算出)は2.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が追い付いて再動意の構えだ。好業績見通しを評価して上値余地があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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