週刊ダイヤモンド今週号より~投資家悩ます日経平均乱高下、犯人は先物か高速取引か

2013年9月24日 08:24

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記事提供元:フィスコ


*08:24JST 週刊ダイヤモンド今週号より~投資家悩ます日経平均乱高下、犯人は先物か高速取引か
日経平均が大幅下落した「5・23ショック」以降、1営業日中の株価の乱高下が止まりません。しばしば指摘される先物市場や高速取引の影響がどのようなものか、ダイヤモンド誌ではそれを探っています。

単純な下落よりも、個人投資家を苦しめているのが株価のボラティリティの高まりです。特徴的な動きとしては、午後2時ごろからの急落、急上昇が多くなっていることです。こうした引け際の急変の要因として複数で指摘されているのが「レバレッジETF」です。中でも、主流となっている「ダブルブル・ベア型」は、先物取引により、基準価額が日経平均やTOPIXの変動幅の2倍増減します。これらの運用会社は、日経平均の終値になるべく先物のポジションを近づけるため、引け間際に現物価格の2倍の変動分、売買を集中させているもようです。加えて、こうした動きを見越して利ざやを稼ごうとする投資家もおり、この影響が顕著にボラティリティに表れているようです。

また、東証では10年1月から高速取引対応の新システム「アローヘッド」を稼働させています。外国人投資家は当初日本株に見向きもしなかったわけですが、昨年末からの株の買い増しを背景に、高速取引の本格的な洗礼にさらされるようになりました。為替など他の市場の動向が瞬時に株価に反映され始め、こうした中で、閣僚の発言や他の市場の動きで、楽観、悲観の両面の観測が流れれば、株が大きく売り買いされることになっています。

消費増税の最終判断、FRBの議長人事、シリアやエジプトなどの中東情勢といった株価変動の“震源”はまだ残っており、個人投資家をやきもきさせる相場は、しばらく続きそうだとダイヤモンド誌では指摘しています。《RS》

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