【ミラノ2014春夏=20日】ファッキネッティによる初のランウェイコレクションを発表したトッズ 3代目ガイヤのデビューコレクションのトラサルディ

2013年9月21日 11:30

印刷

記事提供元:アパレルウェブ



 ピーター・グリーナウェイの映画をテーマに様々に表情の変わる謎めいたコレクションの「ブルマリン(BLUMARINE)」。今シーズン、デザイナーのアンナ・モリナーリがインスピレーションを受けたのは、ピーター・グリーナウェイの映画「英国式庭園殺人事件」。ウェディングを思わせる純白のオープニングから、蝶を始めとした様々な自然のモチーフをトランスペアレント素材に付けたヌードカラーのライン、そこにスポーティテイスト溢れる黄色のラインが続き、トランスペアレントやラメなどの今年のトレンドを盛り込んだセクシーな黒のラインへ・・・といった具合に、多面性とミステリアスさに溢れるコレクション。



 同じ庭園でもこちらは繊細で幻想的な“水蓮”の庭園をテーマにした「エンポリオ・アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」。今回のコレクションのテーマは「WATER LILIES(水蓮)」。美しい情景にインスパイアされた幻想的なコレクションで、軽いテクニカル素材を使って流れるようなフォルムを使う事で女性の繊細さを強調。それをライトブルーやローズをはじめとしたソフトな色のなかにオレンジやブルーなど鮮やかなトロピカルカラーが差し込んだカラーパレットとフラワーモチーフや黒のマイクロモチーフや熱加工でちりばめられたクリスタルなどで展開された。

 プリントがトレンドになっている今シーズンだけに、まさに力の発揮しどころともいえる「エトロ(ETRO)」。その期待に十分にこたえたコレクションは、エトロらしいペイズリーとトレンドであるフラワーモチーフを巧妙にコーディネートし、それを流れるようなフリュイドなシルエットで体現している。そんなプリントはクリエイティブ・ディレクター、ヴェロニカ・エトロの祖母のパターンブックや、インドシナ、中国などのエスニックなテイストがインスピレーションになっている。



 今回のミラノコレクションの目玉の一つ、アレッサンドラ・ファッキネッティによる初めてのランウェイコレクションを発表した「トッズ(TOD'S)」。トッズが提案するライフスタイルがコレクションイメージの根底に流れ、モダンでいながらタイムレスというブランドフィロソフィーを明確に打ち出したコレクション。靴ブランドというルーツを意識してレザーを多用し、トッズの様々なアイコン達がそのまま洋服になったようなクラフトマンシップ溢れるテイストと同時に、クチュール感あふれるファッキネッティの才能が見事にミックスされている。

 一方こちらは3代目の末娘、ガイヤ・トラサルディによる初めてのレディスコレクションを発表した「トラサルディ(TRUSSARDI)」。2014春夏メンズよりクリエイティブ・ディレクターに就任したガイヤ・トラサルディによる初めてのショーは、デヴィッド・リンチの映画からのインスピレーションに、トラサルディのDNAであるトラベル、特に今回はカリフォルニアの旅、というテイストを入れ込んだ。クロコをメインとし、スエード、ナッパなどレザーをメインに押し出しつつ、ヘビ皮のプリントがなされたシャツやスカーフが各所に登場。メンズライクな要素とミックスしてはいるが、ゆったりしたシルエットや透け感のある素材などでフェミニンさも強調されている。

 夜には「プラダ」のメンズショップオープン、「フェラガモ」のショップリニューアルなどのお披露目が。また「アニオナ・ゼロコレクション・バイ・ステファノ・ピラーティ」のデビューを記念した、アリソン・モイエのコンサートなどのイベントが行われた。

■2014春夏ミラノコレクション特集
http://www.apparel-web.com/collection/2014ss/milano/

<文:田中美貴>

※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。

関連記事